食べログ事業が大躍進! カカクコムの決算説明会資料から占う将来性

食べログ事業が大躍進! カカクコムの決算説明会資料から占う将来性

「食べログの『課金制度』が飲食店に嫌われる理由」という記事を週刊ダイヤモンド(2018年11月17日号)に大々的に掲載された、株式会社カカクコム。食べログが飲食店向け販促サービスに導入した「新プラン」が話題ですが、会社の業績はどうなっているのか。同社の決算説明会の資料を参考に、情報を整理してみました。


「価格.com」の売上収益を上回る「食べログ」

株式会社カカクコムは2019年2月5日、同年3月期第3四半期の決算を発表しました。前年同期比で増収増益売上収益は前期比20.4%増と好調。通期の売上収益予想の進捗率も順調です。

事業別に見ても、「価格.com事業」が58億8500万円で前年同期比5.0%増、「食べログ事業」が63億7000万円で同22.1%増、「新興メディア・ファイナンス事業」が19億8500万円で同96.9%増と、すべての事業で増収となっています。

なお、カカクコムの創業事業である「価格.com」の売上収益は、2019年第1四半期から「食べログ事業」に追い抜かれています。現在の成長率を鑑みると、今後もその差は大きくなっていくと予想されます。

増収額が最も大きいのは食べログ事業で、前期比で11億円超も増えています。興味深いのは、食べログの有料サービスの加入者数は、2017年12月の149万人から2018年12月の110万人へと、大幅に減っていることです。

しかし1加入者あたりの平均単価が上昇したことで、売上収益は7億900万円と前年同期比で3.1%増。広告事業も6億5000万円と同6.9%増となっています。

従量課金制の「新プラン」が業績を牽引

食べログ事業を牽引するのは飲食店販促で、50億1100万円と前年同期比27.8%増です。

2018年12月末の有料プラン契約飲食店舗数は5万7500件で、前年同月比4.2%の微増ですが、収益性の高い「新プラン」への切り替えが順調に進んでいます。

なお「新プラン」とは、食べログの加盟店舗から月額固定費に加え、予約人数に応じて手数料を徴収する従量課金型のサービスです。毎月固定の基本料金は「プレミアム10プランS」で10万円、「プレミアム5プランS」で5万円、「ベーシックプランS」で2万5000円、「ライトプランS」で1万円(いずれも税別)です。

また、従量料金として新たに「ディナー予約」が1人200円、「ランチ予約」が同100円徴収されます(いずれも税別)。この新プランに移行した会員店舗をネット予約すると、利用者にTポイントが貯まるようになりました。

食べログ店舗会員のご案内 [食べログ]

https://owner.tabelog.com/owner_info/top

日本最大級のグルメサイト「食べログ」であなたのお店をPRしませんか?食べログではお客様の来店導線を考え、お店の集客へ貢献する様々なサービスをご用意しております。

これにあわせて、検索結果についても「プレミアムプラン店舗」「ネット予約利用店舗」を上位に表示し、さらに「ポイント付与対象か非対象か」によっても順位が変わってくる方式を採用しているようです(2017年6月26日付けのプレスリリースより)。

【重要】新プラン販売と8月1日からの標準検索結果の並び順変更について [食べログ]

http://user-help.tabelog.com/plan_release_1708/

食べログ店舗会員向け集客サービスの新プランとネット予約推進に伴う標準検索結果の並び順変更についてお知らせいたします。

これを受けて、食べログを経由した予約は「お店の利益を大きく圧迫する」として、利用者に向けて食べログを利用せず「(自社の)予約サイトから又はお電話でのご予約にご協力ください」と呼びかけるレストランが現れるなど、不満を抱く会員店舗も見られます。

しかし、販促メリットを十分享受できている店舗もあるのか、切り替えは順調に進んでいるようです。ネット予約人数やARPU(1課金ユーザーあたりの平均収益)も右肩上がりです。

新興メディアの「求人ボックス」は前期比10倍超

このほか、伸び率が最も高い新興メディア・ファイナンス事業は、求人情報の一括検索サイト「求人ボックス」の売上収益が前期比1026.7%と、10倍超の伸びを達成しています。

不動産住宅情報サイトの「スマイティ」やライフスタイルメディアの「キナリノ」などの既存事業のほか、前期第4四半期から連結対象となったクリエイティブ・エージェンシーのガイエと、日本最大級の高速バス比較サイトなどを運営するLCLが好調で、さらなる伸びが期待できます。

創業事業の「価格.com」は、前期比5.0%の微増。広告事業は同14.0%ですが、主力のショッピング事業が横ばいなど、他の事業に比べて伸びが大きくありません。

なお、有価証券報告書には、カカクコムのセグメントは、これまで紹介してきた「インターネット・メディア事業」のほかに、保険代理店業務を行う「ファイナンス事業」の業績が計上されています。前期比で45.4%の伸びを示していますが、新興メディアの伸びには及びません。

参考:2019年3月期 第3四半期決算説明資料(2019年2月5日)
https://pdf.irpocket.com/C2371/sCL4/PTso/tj6B.pdf

ぐるなびの業績悪化は、楽天との資本業務提携で改善できるのか?

https://tenshock.biz/articles/4604/

「加盟店の解約増加で大失速」とネットで話題になっている株式会社ぐるなび。創業者の滝久雄会長は2018年7月、保有株式の一部を楽天に売って資本業務提携を締結しました。すでに会員の新規獲得数やネット予約件数で効果が現れているようですが、今後の見通しはどうなのでしょうか。

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