面接で誤って落とされる優秀な人の特徴 採用担当者は「バランス型」を見逃すな

面接で誤って落とされる優秀な人の特徴 採用担当者は「バランス型」を見逃すな

人材研究所代表・曽和利光氏の連載「採用担当者があなたの会社を魅力的にする」。今回は、本当は優秀なのに面接などで落とされがちな人のパターンとその理由を考えます。採用担当者は誤った判断で人材を見逃してしまわないように注意しましょう。


なぜか避けられてしまう人のパターン

本当は優秀なのに、なぜか面接などで落とされがちな人がいます。そこには、いくつかのパターンがあるように思えます。

たとえば「緊張しすぎる人」。日本人は緊張しやすい遺伝子を持つ人が多く、面接で緊張するのも当然なのですが、「緊張=コミュニケーション能力不足」とみなされて落とされてしまう場合があります。

「率直すぎる人」も、落とされやすいのが現状です。曖昧な婉曲表現を好む日本では、飾り気のない直截的な言葉はどうしても嫌われてしまいます。

「謙虚すぎる人」も避けられがちで、ビッグマウスの方が「理想や志が高い」「夢がある」と評価されることもあります。実際には大口を叩くことなく、日々の小さな喜びを糧に頑張れる謙虚な人の方が、ハイパフォーマーが多いのですが……。

これらの人たちは働いてみればみな優秀なので、誤って落とされてしまったと言っていいでしょう。組織にとっても応募者にとっても、とてももったいないことだと思います。

万能タイプが落とされる悲劇

そして、私が最も問題だと思うのは、パーソナリティの様々な側面において「とてもバランスが取れた人」が、不思議なことによく落とされることです。

例えば、SPIなどのパーソナリティテストで、各尺度において偏差値50近辺の得点ばかりを取っている平均的な人は、要は「バランスの取れた人」といえるでしょう。

価値観が多様化した「ダイバシティ時代」においては、組織の要となる大事な人です。加えて能力が高ければ、万能タイプのスーパーマンとも言えるような人です。

ところが、そういう人たちは、これまでの私の経験で言うと面接で落とされてしまうことが多々ありました。それはなぜか。私の仮説は「ほとんどの人は他人を評価するのに、比較して評価することしかできないから」です。

「超平凡」をつまらないと勘違いするな

基準の音があれば、他の音の高低が分かる「相対音感」を持つ人は多いです。一方、1つの音を聞いて音名がわかる「絶対音感」を持つ人は、世の中にはあまりいません。

同様に「絶対人感」を持っている人は少なく、多くは何かとの比較で「相対人感」を評価することしかできません。したがって、ある人の特質やレベルは、

・比べる他者がいて分かる「個人間の相対感」
・その人の能力や性格の中に凸凹があって分かる「個人内の相対感」

がないと、なかなか感じにくいものなのです。

バランス型が落ちやすい理由は、後者の「個人内の相対感」がつかみにくいからでしょう。各能力や性格が拮抗していて平均的で特徴がないので、能力が認識しにくい。これが「特徴がなく平凡でつまらない人」だと思われてしまうのです。

しかし本当は、得意・不得意が極端でないだけで、能力が高い場合も多いのです。「能ある鷹は爪を隠す」のではなく、見えにくいだけかもしれません。「超平凡」とも言える万能スーパーマンにはぜひ注意して、見逃さないようにしてください。

筆者:曽和利光
組織人事コンサルタント。京都大学教育学部教育心理学科卒。リクルート人事部ゼネラルマネジャーを経てライフネット生命、オープンハウスと一貫として人事畑を進み、2011年に株式会社人材研究所を設立。著書に『就活「後ろ倒し」の衝撃』(東洋経済新聞社)。
■株式会社人材研究所ウェブサイト
http://jinzai-kenkyusho.co.jp/
■オンラインサロン「「本当のこと」しか言わない就職の学校」
https://lounge.dmm.com/detail/1638/

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人事コンサルティング、採用アウトソーシング、新卒人材紹介を行う株式会社人材研究所 代表取締役社長。

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