「一流の人材」に会い続ければ、目利きの採用担当者になれる

「一流の人材」に会い続ければ、目利きの採用担当者になれる

人材研究所代表・曽和利光氏の連載「採用担当者があなたの会社を魅力的にする」。今回は「人材の目利き」への道について考えます。面接官の採用目線を合わせる訓練をする会社もありますが、それだけでは十分ではないところがあります。


誰もが憧れる「人材の目利き」

採用担当者であれば誰でも、一度は人の持つポテンシャルを鋭く見抜ける「目利き」に憧れるのではないでしょうか。

私の社会人最初の上司は現Jリーグチェアマンの村井満さんだったのですが、自分が担当する候補者を彼に面接してもらうときはいつも心が躍りました。

というのも、長い時間かけて候補者と会ってきた自分よりも、より深くその人を見抜き、面接後にその人を表現するコメントも的確で味わい深いものだったからです。

どうすれば彼のように面接できるのか、真剣に考えて試行錯誤していたものです。結局その域までは全然近づけませんでしたが、それでも「人を見る」ということを学ばせていただきました。

北極星のような「動かぬ存在」を持つ

このような「人材の目利き」に、どうすればなれるのでしょうか。一般的にプロは無意識で自動的に素晴らしい腕を発揮する人なので、ストレートに「どうすればあなたのようになれるのですか?」などという質問をしても、あまりパッとした返事はありませんでした。

それで仕方なく、私は周りにいた「目利き」たちを観察し続けました。そこで思い当たったのは、そういう人たちはすべて「一流の人材」に会い続けてきているということでした。

仕事やプライベート、社内外を問わず、たくさんの素晴らしい人材に会い続けることで、知らず知らずのうちに頭の中に「一流の人材とは何か」というデータがストックされていく。

それが星空における北極星のような動かぬ存在として、人を見るときの基準値となっていく。それが「目利き能力」の正体ではないでしょうか。

採用目線のすり合わせだけでは十分ではない

面接トレーニングをする際に、採用基準的にボーダーライン上の人を見て「合否のどちらになるのか」という微妙なところをすり合わせる訓練をしている会社が結構あります。

しかし、景気やその会社の事業や発展ステージの変化によって、採用基準などは流転します。そんなはかない波のような基準を随時すり合わせることは無駄な努力に思えます。仮に目線がすり合っても、次の日にはもう基準が変わっているかもしれないからです。

そうではなく、世の目利きたちのように「動かない基準」、つまり一流の人材を知ることで、そこからどれくらい離れているのかを考えると、常に目の前の人材を絶対的なモノサシで測ることができるのです。

実際、目利きの人は、人を表現するときに「あの人みたいな」と自分の会った一流の人を思い浮かべて比較しています。目利きになりたければ、芸術でも人材でも「一流に触れる」ということに尽きるでしょう。

筆者:曽和利光
組織人事コンサルタント。京都大学教育学部教育心理学科卒。リクルート人事部ゼネラルマネジャーを経てライフネット生命、オープンハウスと一貫として人事畑を進み、2011年に株式会社人材研究所を設立。著書に『就活「後ろ倒し」の衝撃』(東洋経済新聞社)。
■株式会社人材研究所ウェブサイト
http://jinzai-kenkyusho.co.jp/
■オンラインサロン「「本当のこと」しか言わない就職の学校」
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人事コンサルティング、採用アウトソーシング、新卒人材紹介を行う株式会社人材研究所 代表取締役社長。

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