【平均年収739万円】コマツの給与が高いのはなぜなのか

【平均年収739万円】コマツの給与が高いのはなぜなのか

コマツの年収(給与・報酬)が丸わかり!平均年収の推移、役職・職種・入社年次・年齢別の年収、同業他社との比較、年収以外のメリットなど、データや口コミをもとに社員の年収実態に迫っていきます。今回注目する企業はダントツ経営で世界2強まで上り詰めた総合建機メーカーコマツです。就職・転職活動中の方は必見です。


コマツ(小松製作所)は、日本国内はもちろん、世界に名をとどろかせる建設機械メーカーです。しかし世界有数の建機企業に成長するまでの道のりは、決して順風満帆ではありませんでした。1921年に竹内鉱業より分離独立して設立された小松製作所は、国産第1号の農耕用トラクターを完成させるなど、国内の建設機械・鉱山機械メーカーとしての道を歩んできました。1960年代に海外事業を開始してからは、現場主導で海外ビジネスを展開し、技術力優先の企業だったのです。

結果として2001年に元社長の坂根正弘氏が社長として就任した時点で、非効率な経営の広がりから経営赤字を抱えており、さらには台頭してきたアジア企業との激しい競争にも直面していました。そんな中で坂根元社長は「ダントツ経営」と呼ばれる戦略を打ち出し、強みをもつ製品に集中特化して経営を効率化させ、新興国中心の成長市場で事業を展開しました。とくに建機にGPSと通信機器を搭載した「盗まれない建機」は、ICT(Information and Communication Technology)を用いた主力製品として力を注ぎ、2004年には営業利益3500億円という数字をあげて、見事なV字回復を果たしたのです。

またコマツは年収が高いことでも有名で、3000社を超える上場企業の中でも常に上位に位置しています。
では一体どれくらい高いのか、高い理由はなにか、年収の高さ以外のメリットやデメリットはあるのかなどに迫っていきましょう。

コマツの年収(給与・報酬)はどれくらい高いのか?

まずコマツの平均年収がどれくらいの額なのかから見ていきましょう。

2018年3月期の有価証券報告書によると、コマツの平均年収は738.7万円です。

国税庁が行った2017年民間給与実態統計調査では、男女合わせた正規雇用者の平均年収が493.7万円であることから、どれだけ高い年収なのかがわかりますね。

コマツとライバル企業との比較

では次に、同じ業界である日立建機、豊田自動織機、クボタの平均年収と比べてみましょう。
以下に各社の有価証券報告書に記載されている情報をまとめました。

コマツ:738.7万円(2018年3月期)
日立建機:642.5万円(2018年3月期)
豊田自動織機:795.2万円(2018年3月期)
クボタ:792.2万円(2017年12月期)

こうしてみるとコマツ業種・業界全体の平均年収が高いことがわかります。

と、ここまではほぼ公開データ上での話。同業他社同士で給与明細を比較してみると、さらに驚くべき結果が!

業界の給与明細

日本の平均年収を大きく上回る収入が

コマツ20代・研究開発(非管理職)の 給与明細

日立建機20代・研究開発(非管理職)の 給与明細

豊田自動織機20代・研究開発(非管理職)の 給与明細

クボタ20代・研究開発(非管理職)の 給与明細

コマツの平均年収の推移

続いて、過去5年間における年収の推移を見てみましょう。

有価証券報告書を元に平均年収額と平均年齢を書き出してみました。

2014年3月期 696.3万円 (平均年齢 38歳)
2015年3月期 719.1万円 (平均年齢 38.3歳)
2016年3月期 711.1万円 (平均年齢 38.5歳)
2017年3月期 716.2万円 (平均年齢 38.9歳)
2018年3月期 738.7万円 (平均年齢 39.3歳)
(出典:有価証券報告書)

コマツの平均年収は、2015年3月期から700万円台に上がり、その後は多少の波があるものの右肩上がりに伸びています。また建設機械業界において、総合メーカー首位のコマツと2位の日立建機、フォークリフト1位の豊田自動織機、そしてミニショベル1位のクボタと年収を比較してみました。

比較の結果、フォークリフトにおいて世界・国内1位の豊田自動織機は平均年収が795万円、そしてミニショベルの世界1位であるクボタの792万円と、両社の平均年収に比べるとコマツは739万円で劣っていることがわかりました。しかし総合建機メーカーとの比較では、643万円の日立建機を大きく上回り、圧倒した高さとなっています。

これほど年収が高いということはどういう理由があるのでしょうか? 探っていきましょう。

コマツの年収(給与・報酬)が高い理由は?

コマツの年収が高い理由は、建機という「モノ」に加えて、データを活用して顧客の工事現場の効率化を支援する「サービス」を提供することで差別化を図ったことにあります。

建機は一般自動車と比較して耐用年数が5倍に上りますが、過酷な現場環境で使用されるため頻繁に部品交換が必要です。しかし工事現場は町から離れた山間などにあることが多く、交換部品が到着するまでの間は工事が滞ることもあります。そこでコマツは、建機に通信機を搭載し、機械の状況をコマツへ送る「KOMTRAX」を標準装備として販売しました。建機が故障する前に部品を送れるだけでなく、未稼働の建機、稼働に問題のある建機の情報を顧客に伝えられ、必要な時に必要なサービスを提供できる建機メーカーとして認知度を上げることに成功したのです。

こうした独自の強みに対する惜しみない投資と、新しいサービスの創造によってコマツは成長し、2017年度の売上高は2兆円を超えました。ダントツ経営方針は今も続き、売上高の9割以上が建設機械・車両部門からの計上であり、しかも営業利益率も10.9%と高い数字であることから、今後も高い年収を維持するといってよいでしょう。

口コミには年収の実態を如実に表す証言がありました。

コマツ社員の口コミ

査定とボーナス額が分かりやすい!

「基本的には年功序列だが、年2回の業務振り返り審査がある。 評価の積み重ねにより上へのステップアップにつながる。ボーナスの査定は……

若い社員の給与は低すぎるのか?

「若手、とくに20代社員の給与が低い。もっと若手に目を向けるべき。 優秀な人材を確保し離職を防ぐには、この世代の給与を……

ここまでで、十分高い収入を得られることも、年収が高い理由もわかりました。では社内でどんな人、どんな仕事をしている人がより給与が高いのでしょうか。

コマツ社内で年収(給与・報酬)が高い職種・役職は?

採用の時点で、G(全社採用)とE(事業所採用)の2つに分かれ、待遇の違いから、Gの給与が高い傾向があります。G社員は国内外での勤務があり、2017年春の初任給実績で技術系は23万7000円に対して、事務系は21万6000円です。Eは原則的に採用事務所の運営に携わり、技術系には21万6000円、事務系には20万6000円が支払われています。

さらに昇格と昇給でも違いが生じます。Gは2~3年に1回昇格をし、基本給が3~5万円程度あがりますが、事業所に限定されたEの職種階級はGよりも昇格頻度は少ないようです。また年功序列の色合いが濃く、30代で多くの社員の年収が600万円に届きます。その後は主任技師で800万円超となり、1000万円を超えるのは管理職に上がってからのようです。

実際の給与明細を見比べると、目安では見えてこなかった驚きの現実が!

コマツ社員の給与明細

同職種でも20代と30代では年収に差が出る!

20代・研究開発(非管理職)の 給与明細

30代・研究開発(非管理職)の 給与明細

賞与額の違いと手当の有無でこんなに差が…

20代・技術関連職・賞与あり(非管理職)の 給与明細

20代・技術関連職・賞与あり(非管理職)の 給与明細

年収の高さばかりに目を奪われがちですが、就職・転職を検討するにあたり気をつけなければならないことはないのでしょうか。

コマツの見落としがちな留意点、課題は?

コマツの留意点としては、E(事務所採用)であっても転居を伴う転勤が発生する場合があることです。同社の採用サイトには3~4年の期間を定め、転居を伴う異動が発生する可能性が公表されています。転居が必要となる点に懸念がある方は、事前に詳細を確認するとよいでしょう。

またEで採用された後に転勤を経験し、転勤先でG(全社採用)への職種転換をしたにもかかわらず、給与を見ると入社時期からGとして働いている社員と同じ水準まで大きく伸びないこともあります。Eのメリットである転居が発生しない異動を享受できないだけでなく、転換後に仕事に見合った待遇を受けられないのであれば、社員として待遇の見直しを求める改善の声をあげる必要がありそうです。

この他にも口コミにはこんな意見が書かれています。

コマツ社員の口コミ

日本でNo.1、世界でNo.2という立場が魅力!

「売上の8割超を海外が占めており、地域も全世界で比較的バランスがよい。 株価は景気に左右されやすいと言われるが、ビジネス自体は……

3人出産して復帰した女性管理職がいる!

「出産時の休暇を多くの女性が取得し、休暇中は派遣社員で補充されている。 安心して育児に専念し復帰できる。育児休暇は男性も……

コマツには年収以外にメリットはある?

ここまでコマツの年収面を見てきました。ただ就職先、転職先として年収の高さだけで決めることはできません。その他にメリットは無いのでしょうか?

コマツは社員の私生活を支えるため、複数の休暇制度を用意しています。年間休日数が多いだけでなく、年次休暇のうち5日間を連続して取得し、前後の週末をあわせて9連休にすることで海外旅行や趣味の時間にあてられます。さらにライフサポート休暇も別に設けられ、病気による通院、出産の立会いや育児などに使うこともできるのです。

2006年に制定された経営基本「コマツウェイ」には、品質と信頼を追及し、コマツを取り巻く社会とすべての関係者からの信頼度をあわせたものを企業価値と考えて、最大化するための指針が書かれています。コマツは企業価値を高めるため、関係者である社員との信頼関係の構築に力を注ぎ、ワークライフバランスにも大きく配慮しているといえるでしょう。

結論的には、就職・転職先として非常に魅力的だと言っていいでしょう。

コマツについてもっと知りたい!

コマツに関する詳しい企業情報は以下の記事にまとめています。あわせてご覧ください。

【建機世界2位】(株)小松製作所に就職・転職するなら知っておきたい情報まとめ

https://tenshock.biz/articles/109

就職・転職するなら「株式会社小松製作所」。建設・鉱山機械、ユーティリティ(小型機械)、林業機械、産業機械などの事業を展開する機械メーカー。建設機械では国内トップシェアを誇る。グローバル化にいち早く着手した。堅実な経営で財務体質の良い企業として知られる。通称コマツ

この企業情報の記事作成

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年収 コマツ 機械

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