【FA業界】キーエンス、ファナック、SMC 比較――就職・転職するならどの会社?

【FA業界】キーエンス、ファナック、SMC 比較――就職・転職するならどの会社?

今回はFA(ファクトリー・オートメーション=生産用機械)業界からキーエンス、ファナック、SMCの3社について比較します。一般の方に馴染みが薄いですが、世界的なシェアが高く、給与も高い会社です。各社の財務面からそれぞれの特徴を洗い出します。就職・転職活動の参考になれば幸いです。


会社の成り立ち

(1)キーエンス

FA向け自動制御機器や電子顕微鏡を主に取り扱い、「世界初・業界初」の付加価値商品の開発や直販営業に特化したコンサルティングモデル、自社生産を行わないファブレス経営を実践する特異なモデル会社です。1974年に現取締役名誉会長の滝崎武光氏が創業した「リード電機」が起源で、1986年に「キー・オブ・ライセンス」を由来に現社名へ変更しました。

売上ではなく利益を重視したコンサルティング営業で、平均年収が国内でもトップに上がることで有名です。2018年3月期の従業員数は連結が6,620名、単体が2,253名です。従業員の単体平均年収は2,089万円です。

【第4次産業革命】(株)キーエンスに就職・転職するなら知っておきたい情報まとめ

https://tenshock.biz/articles/74

就職・転職するなら「株式会社キーエンス」。大阪市に本社を置く自動制御機器、計測機器等のメーカー。主力製品は工場自動化向けのFA(ファクトリーオートメーション)センサー。2018年3月期は最高益を更新。営業利益率は驚異の55.6%を誇る。平均年間給与は2,088万円で、新製品の約7割は「世界初」「業界初」。44カ国200拠点で事業を展開。第4次産業革命銘柄。

(2)ファナック

工作機械用CNC装置や産業用ロボットで世界首位を取る世界的メーカーです。富士通の計算制御部から1972年に独立して誕生しました。工場自動化機械に特化し、本社は山梨県南都留郡忍野村に構えています。

会社のコーポレートカラーは黄色で、同社のあらゆるものに黄色が使われています。2018年3月期の従業員数は連結が7,163名、単体が3,495名です。従業員の単体平均年収が1,347万円と高額なことでも有名です。

【産業用ロボット】ファナック(株)に就職・転職するなら知っておきたい情報まとめ

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就職・転職するなら「ファナック株式会社」。世界4大産業用ロボットメーカーのひとつで、全世界の工場の自動化に貢献。1956年に日本で民間初の NC(数値制御装置)とサーボ機構の開発に成功し、世界シェア約5割、産業用ロボットの世界シェアトップを誇る。国内生産にこだわり、山梨県の本社工場でほぼ全量を製造。2018年3月期は前期比で増収増益。[fanuc]

(3)SMC

工場向けの空気圧機器大手で国内シェア6割を占めており、海外でも世界首位です。1959年にフィルタ用焼結(しょうけつ)金属(金属製の粉体を溶融点前後の温度で焼き固めたもの)の製造を目的に創業した「焼結金属工業」が源流です。

その後1986年に焼結金属の英訳「Sintered Metal」とCompanyの頭文字を取り、現社名へ変更しました。2018年3月期の従業員数は連結が19,680名、単体が5,735名です。従業員の単体平均年収は775万円です。

【FAメーカー】SMC(株)に就職・転職するなら知っておきたい情報まとめ

https://tenshock.biz/articles/112

就職・転職するなら「SMC株式会社」。工業製品の生産現場のオートメーション化をさまざまな空気圧機器を用いてサポートしている機器メーカー。国内55カ所に営業拠点を構え、世界では83カ国400拠点で現地サービスを実施しているグローバル企業である。空気圧制御機器市場では国内60%、海外30%超のシェアを有し、国内外で首位を誇る。

事業の収益構造

(1) 売上規模

2015~2017年度の売上高の3期平均は、ファナックが6,290億円、SMCが5,181億円、キーエンスが4,396億円です。SMCとキーエンスは3期連続で増収となっており、3社とも2017年度は2桁増収です。

なお、3社とも3月期決算ですが、キーエンスのみ「3月20日」を決算日にしています。これは日本の商習慣である「20日締め、月末請求」に合わせた運用を取ることで経理処理の負担を減らすためです。2015年度、2016年度は法人税減税のメリットを受けるために、「4月~6月の3か月」「7月~3月9か月」の変則決算を取っています。そのためキーエンスのみ2015年度と2016年度は合算で計算していきます。

(2) 営業利益と利益率

営業利益の3期平均は、キーエンスが2,377億円、ファナックが1,995億円、SMCが1,559
億円です。本業の儲ける力を測る売上高営業利益率の3期平均は、キーエンスが53.9%、ファナックが31.6%、SMCが29.9%でした。


製造業では営業利益率が10%を超えると優良会社と言われる中、3社の中ともこれを大きく上回る利益率を出しています。中でも50%を超えるキーエンスは、国内上場している製造業の中ではトップです。SMCは3期間連続で増益を続けており、2017年度にはファナックの営業利益率をわずかに上回っています。

(3)セグメント別売上構成

キーエンス(2018年3月期)のセグメント別売上高構成比は、電子応用機器製造事業単一セグメントです。所在地別収益は、日本が46.7%と半数近くを占めます。米国が15.0%、中国が12.2%、その他海外が26.1%です。

ファナック(2018年3月期)のセグメント別売上高構成比は、FA向けCNCシステム等事業単一セグメントです。製品別売上高では、ロボットが31.4%、FAが30.6%、ロボマシンが26.2%、サービスが11.9%となっています。

所在地別収益は、日本が18.9%と2割足らず。中国が29.7%、米国が15.9%、アジア(中国以外)が15.6%、欧州が15.2%、米州(米国以外)が4.0%、その他地域が0.6%です。

SMC(2018年3月期)のセグメント別売上高構成比は、自動制御機器事業が99.7%を占め、その他事業が0.3%です。セグメント利益は自動制御機器事業が99.9%、その他事業が0.1%です。

所在地別収益(2018年3月期)は、日本が30.3%。中国が19.2%、アジア(中国他)が18.2%、欧州が16.0%、米国が11.5%、その他地域が4.7%です。海外比率が69.7%です。

キャッシュフロー計算書分析

「営業活動」「投資活動」「財務活動」の3つのキャッシュフロー計算書から、3社の企業活動の特徴を見てみましょう。

(1) 企業タイプ

3社とも「優良企業型(営業+/投資-/財務−)」で、本業で生み出したキャッシュを元手に投資を行いながら、借入金の返済などができているタイプです。

ただし、営業CFはキーエンスが一番稼いでおり、投資CFと財務CFはファナックのマイナス幅が大きいなど各社特徴が異なりますので、以下で比較していきます。

(2) 収益性

企業が本業で生み出したキャッシュを測る「営業キャッシュフロー」の2015~2017年度の3期平均は、キーエンスが1,508億円、ファナックが1,461億円、SMCが1,258億円です。SMCとキーエンスは3期連続で増額させており、経営の好調さが伺えます。

営業キャッシュフローを売上高で割った「営業キャッシュフローマージン」の3期平均は、キーエンスが33.7%、SMCが24.8%、ファナックが23.1%でした。キーエンスを始めとして、3社の収益性の高さが目立ちます。

(3) 安全性

有利子負債を営業キャッシュフローで割った「有利子負債キャッシュフロー倍率」の3期平均は、無借金経営を行うファナックとキーエンスは0倍、有利子負債残高のあるSMCでも0.3倍と、いずれも非常に安全な経営を行なってます。

(4) 将来性

企業の将来性を測る手がかりとなる「投資キャッシュフロー」の3期平均は、ファナックがマイナス1,105億円、SMCがマイナス651億円、キーエンスがマイナス547億円と各社とも積極的です。キーエンスが2016年度単年でプラスになっていたのは、有価証券の売却によって投資回収となっていたためです。

会社が自由に使えるキャッシュを表す「フリーキャッシュフロー」(営業活動キャッシュフロー+投資キャッシュフロー)の3期平均は、キーエンスがプラス961億円、SMCが607億円、ファナックが356億円です。キーエンスは最も潤沢なフリーCFを持っており、次の投資への余力を残します。ファナックは3期連続で数字を増やしており、投資余力の強化に努めています。

借り入れや社債・新株の発行などの資金調達等を記録する「財務キャッシュフロー」の3期平均は、ファナックがマイナス1,176億円、SMCがマイナス389億円で、キーエンスがマイナス123億円です。2015年3月期から5年平均で配当性向を80%と設定しているファナックは、株主還元策によってマイナス額が3社よりも大きいです。3位のキーエンスは、3期連続で資金返済傾向にあります。

(5) 従業員収益性

3社の連結従業員数の3期平均は、SMCが19,084名と最も多く、ファナックが6,743名、キーエンスが5,759名です。各社とも3期連続で従業員数を伸ばしています。

従業員1人当たりの売上高の3期平均は、ファナックが9,322万円、キーエンスが7,612万円、SMCが2,710万円です。SMCは従業員数が多いため、1人あたりの数字が小さくなっています。

従業員1人当たりの営業利益の3期平均は、キーエンスが4,106万円、ファナックが2,162万円、SMCが656万円です。キーエンスの営業に課せられる数字は「成果額」という利益を基にした数字であり、他社に比べても利益を上げることを常に考えてビジネスがなされています。そのため従業員1人あたり、ファナックの約2倍、SMCの約6倍の利益を稼いでいます。

ただし3社の中ではSMCのみ1人当たり営業利益が3期連続増益となっており、ビジネスの好調さを表しています。

まとめ

以上、3社の財務諸表を簡単に分析してみました。これがすべての切り口とはいえませんが、各社の特徴がよく現れているといえるのではないでしょうか。就職や転職を目指す方々は、このような会社の違いを踏まえて志望企業を選ぶことをオススメします。

【平均年収2000万円超】キーエンスの年収はなぜ高いのか

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キーエンスの年収(給与・報酬)が丸わかり!平均年収の推移、役職・職種・入社年次・年齢別の年収、同業他社との比較、年収以外のメリットなど、データや口コミをもとに社員の年収実態に迫っていきます。今回注目する企業は電機・電子部品メーカーののキーエンスです。就職・転職活動中の方は必見です。


  • 営業利益率が50%越えのキーエンスは、高い営業力と商品開発力、そして値引きをしないことによって3期連続で営業利益を向上させています。海外売上比率が半数程度なので、伸長の余地があります。

  • 海外売上高が8割を超えるファナックは、30%を超える高い営業利益率と無借金経営を兼ね備えています。中国を中心に付加価値の高い産業用ロボットの需要が同社の業績をけん引します。

  • SMCは他2社に比べると数値面ではやや劣るものの、多くの従業員を抱えながら安定経営がなされています。3期連続で利益率を向上させている点も評価できます。

【平均1347万円】ファナックの年収はなぜ高いのか

https://tenshock.biz/articles/3648

就職・転職活動中の方は志望する企業をどのように決めていますか? 判断基準の1つとしてよく挙げられるのが「年収(給与・報酬)」。この記事では毎回年収面から注目の企業にアプローチ。データや口コミをもとに社員の収入実態に迫っていきます。今回注目する企業は産業用機械メーカーのファナックです。2018年7月の最新情報です。

産業用機械メーカーは、皆さんが使う製品を作るための機械をメーカーに提供しています。従って経済の流れを先行して業績が動いていきやすい特徴があります。3社とも直近3期では高い水準を維持しており、メーカーの投資意欲は引き続き旺盛であることが図れます。そのため付加価値の高く、利益率が高い製品が売れることで、利益および従業員の給料が高い水準であるといえます。

その一方で産業用機械を開発するエンジニアの数が足りておらず、3社とも求人を募集しています。ファナックは山梨県、キーエンスは東京及び大阪、SMCは埼玉、茨城、秋田、福島での採用募集となるため、それぞれのライフプランに合わせた転職活動も可能です。

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アナリストになる夢を持ち、証券会社で営業をしながら日々頑張ってます。

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