【菓子業界】江崎グリコ、カルビー、森永製菓 比較――就職・転職するならどの会社?

【菓子業界】江崎グリコ、カルビー、森永製菓 比較――就職・転職するならどの会社?

今回は菓子業界から、江崎グリコ、カルビー、森永製菓について比較します。日頃皆さんに愛されているお菓子を世に送りだす菓子業界の中でも国内トップを走る3社の財務面からそれぞれの特徴を洗い出します。就職・転職活動の参考になれば幸いです。


会社の成り立ち

(1) 江崎グリコ

創業者・江崎利一が、牡蠣に含まれるグリコーゲンをキャラメルに入れた「栄養菓子グリコ」を発売した1922年に創業した菓子メーカーです。大阪・道頓堀のネオン広告「グリコポーズ」は有名です。

ポッキーやビスコブランドのお菓子や、パピコやアイスの実といったアイスブランドを有しています。2018年3月期の従業員数は連結が5,488名、単体が1,473名です。従業員の単体平均年収は837万円です。

【海外11拠点】江崎グリコ(株)に就職・転職するなら知っておきたい情報まとめ

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就職・転職するなら「江崎グリコ株式会社」。大阪に本社を置く大手食品メーカー。事業の3本柱は、ポッキーやプリッツ、ビスコなどの菓子事業、ヨーグルトなどを含む牛乳・乳製品事業、パピコなどの冷菓事業。本社・オフィスは大阪市、東京・品川など4か所。生産関係会社は全国に多数。米国、フランス、アジアなどに海外11拠点あり。

(2) カルビー

1949年に広島にて「松尾糧食工業」の名で創業したスナック菓子メーカーです。現社名は当時日本人に不足していたカルシウムとビタミンB1を組み合わせた造語として1955年に変更されました。

2005年以降、同族経営から脱却し、経営の効率性を高める方針に変更しました。主力商品はポテトチップスやかっぱえびせん、じゃがりこやフルグラです。2018年3月期の従業員数は連結が3,798名、単体が1,737名です。従業員の単体平均年収は749万円です。

【残業なんてやめなさい】カルビー(株)に就職・転職するなら知っておきたい情報まとめ

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就職・転職するなら「カルビー株式会社」。日本のスナック菓子メーカー。会社名のカルビーは、当時の日本人に不足しているとされたカルシウムの「カル」と、ビタミンB1の「ビー」を組み合わせた造語。2005年に3代続いた同族経営をやめ、創業家外の社長を迎えている。CEOの松本晃氏は「残業なんてやめなさい」という言葉で有名。

(3) 森永製菓

1899年に森永太一郎が創業した「森永西洋菓子製造所」が同社の起源です。1910年に現在の法人体系となりました。大手乳業メーカーである森永乳業は、1949年に同社から分割した兄弟会社です。

チョコボールやマリー、エンゼルパイ、ハイチュウ、チョコモナカジャンボなどの有名ブランドを有し、健康食品ではウィダーinゼリーなどのブランディングも行っています。2018年3月期の従業員数は連結が34,670名、単体が7,520名です。従業員の単体平均年収は765万円です。

【エンゼルマーク】森永製菓(株)に就職・転職するなら知っておきたい情報まとめ

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就職・転職するなら「森永製菓株式会社」。1899年(明治32年)創業の国内大手製菓メーカー。主力となる食料品製造事業では、菓子食品、冷菓、健康など各部門のそれぞれにおいて、トップブランド商品が数多くあり、圧倒的なブランド力を誇る。昨今、美容・生活・医療分野での、独自性のある健康関連食品の開発・育成においても成長をみせている。

事業の収益構造

(1) 売上規模

3社とも3月期決算です。2015年度~2017年度の3期平均は、江崎グリコが3,484億円、カルビーが2,500億円、森永製菓が1,955億円です。江崎グリコと森永製菓は3期連続で微増していますが、カルビーは国内シリアル食品のコーンフレークの販売を終了した2017年度に微減しています。

(2) 営業利益と利益率

営業利益の3期平均は、カルビーが279億円、江崎グリコが206億円、森永製菓が163億円です。本業の儲ける力を測る売上高営業利益率の3期平均は、カルビーが11.2%、森永製菓が8.3%、江崎グリコが5.9%でした。

3社の中では、カルビーが最も利益率が高いです。2009年から2018年6月まで代表取締役会長兼CEOを務めた松本晃氏による徹底したコスト管理により、2009年3月期で3.2%だった営業利益率を10%台まで向上させました。

営業利益では3番手の森永製菓ですが、2015年に策定した中期経営計画で営業利益率10%を目標として掲げました。その結果、3期連続増益を達成し、2017年度は営業利益率9.6%まで引き上げています。

(3) セグメント別売上構成

江崎グリコ(2018年3月期)のセグメント別売上高構成比は、チョコレートやガムを製造する菓子事業が35.4%、乳飲料や洋生菓子を製造する牛乳・乳製品事業が26.7%、アイスクリームの製造を行う冷菓事業が24.9%です。

その他、カレールウやレトルト食品を製造する食品事業が5.8%、澱粉や色素を製造する食品原料事業が3.0%、その他事業が4.3%です。

セグメント利益は、菓子事業が44.7%を占め、冷菓事業の27.6%と合わせて7割近くの利益を稼いでいます。その他は、牛乳・乳製品事業が17.7%、食品原料事業が5.2%、食品事業が3.7%、その他事業が1.1%です。

所在地別収益は、日本が86.5%、中国が7.4%、東南アジアが3.8%、その他地域が2.3%です。

カルビーは、食品製造販売事業単一セグメントです。

所在地別収益(2018年3月期)は、日本が86.6%、北米が3.9%、中国が1.7%、その他地域が7.8%です。

森永製菓(2018年3月期)のセグメント別売上高構成比は、お菓子やアイスを製造する食料品製造事業が95.5%を占めています。菓子製品の販売を行う食料卸売事業が3.3%、自社保有のゴルフ場を含めた不動産及びサービス事業が1.0%、その他事業が0.2%です。

セグメント利益は食料品製造事業が93.6%、不動産及びサービス事業が3.5%、食料卸売事業が2.6%、その他事業が0.3%です。

所在地別収益は、日本が9割以上を占めます。

キャッシュフロー計算書分析

「営業活動」「投資活動」「財務活動」の3つのキャッシュフロー計算書から、3社の企業活動の特徴を見てみましょう。

(1) 企業タイプ

カルビーと森永製菓の2社は「優良企業型(営業+/投資-/財務−)」で、本業で生み出したキャッシュを元手に投資を行いながら、借入金の返済などができているタイプです。

江崎グリコは「成長企業型(営業+/投資-/財務+)」で、本業で生み出したキャッシュ以上に借入等で資金調達を伴いながら投資を行っているタイプでした。ただし財務キャッシュフローがプラスなのは2016年度のみで、基本的に「優良企業型」といえるでしょう。

(2) 収益性

企業が本業で生み出したキャッシュを測る「営業キャッシュフロー」の2015年度~2017年度の3期平均は、江崎グリコが262億円、カルビーが193億円、森永製菓が176億円です。3期間に渡り、江崎グリコが最も営業キャッシュフローを稼いでおります。

営業キャッシュフローを売上高で割った「営業キャッシュフローマージン」の3期平均は、森永製菓が9.0%、カルビーが7.7%、江崎グリコが7.5%でした。

3期連続営業増益の森永製菓ですが、2017年度は収益性が下がっています。高収益体質のカルビーについても、2016年度の10.3%から2017年度は3.7%に下がっています。江崎グリコは営業キャッシュフローを3期連続で増加させており、収益性が向上しています。

(3) 安全性

有利子負債を営業キャッシュフローで割った「有利子負債キャッシュフロー倍率」の3期平均は、カルビーが0.1倍、江崎グリコが0.8倍と、年間で稼ぐ営業キャッシュフロー以内に有利子負債が抑えられており実質無借金経営ができています。森永製菓は1.3倍ですが、安全性にはまったく問題ない水準です。

(4) 将来性

企業の将来性を測る手がかりとなる「投資キャッシュフロー」の3期平均は、江崎グリコがマイナス176億円、カルビーがマイナス113億円、森永製菓がマイナス79億円でした。3社とも投資傾向にありますが、森永製菓は2017年度単年で見ると、定期預金の解約が影響しプラス82億円でした。

会社が自由に使えるキャッシュを表す「フリーキャッシュフロー」(営業活動キャッシュフロー+投資キャッシュフロー)の3期平均は、森永製菓がプラス97億円、江崎グリコが86億円、カルビーが80億円です。カルビーは2017年度の営業キャッシュフローが前年よりも64%減少しており、本業面で苦戦を強いられています。

借り入れや社債・新株の発行などの資金調達等を記録する「財務キャッシュフロー」の3期平均は、カルビーがマイナス77億円、森永製菓がマイナス75億円で、江崎グリコがプラス32億円です。江崎グリコのプラスは、2016年度に社債発行によって単年のみプラス242億円であったことが要因でした。

(5) 従業員1人当たりの収益

3社の連結従業員数の3期平均は、江崎グリコが5,220名、カルビーが3,795名、森永製菓が3,160名です。特に江崎グリコは3期連続で年間5%ずつ従業員数を増やしています。カルビーと森永製菓の2社は2017年度の従業員数が前年より減少しています。

従業員1人当たりの売上高の3期平均は、江崎グリコが6,681万円、カルビーが6,588万円、森永製菓が6,182万円で、ほぼ同じ水準といえます。

従業員1人当たりの営業利益の3期平均は、カルビーが736万円、森永製菓が516万円、江崎グリコが394万円です。カルビーは「コミットメント(C)&アカウンタビリティ(A)」という人事評価制度を用いて、利益率の高い企業づくりに努めてきた結果、江崎グリコの約2倍となっています。森永製菓は中期経営計画に則り、3期連続で1人当たりの営業利益を増やしているのは前述のとおりです。

まとめ

以上、3社の財務諸表を簡単に分析してみました。これがすべての切り口とはいえませんが、各社の特徴がよく現れているといえるのではないでしょうか。就職や転職を目指す方々は、このような会社の違いを踏まえて志望企業を選ぶことをオススメします。


  • 菓子業界売上高トップの江崎グリコは順調に従業員数を伸ばしている一方、従業員1人当たり営業利益は他2社に劣っています。順調に伸ばしている営業キャッシュフローを活用した投資による利益率向上が望まれます。

  • 利益率と安全性が高いカルビーですが2017年度決算を機にトップの変更を含めた企業体制の見直しが図られています。スナック菓子やシリアルに特化した事業モデルを継続するのか否かによっては、これまでの財務体質が変わる可能性もあります。

  • 森永製菓は2015年の中期経営計画を遂行した結果、3社で最も収益性が高い結果となりました。当面は目前に迫った売上高営業利益率10%を達成する方針で動いていくことが想定されます。

国内の菓子メーカーは、国内での収益性向上と海外進出が課題として各社経営戦略が練られています。また事業環境としては乳製品を始めとした原材料や人件費の高騰で各社値上げに踏み切っています。

今後は国内におけるマーケティング事業と海外での市場開拓が菓子業界では求められると想定され、中途採用の人材としては海外でのビジネス経験がある方やマーケティングに携わっていた方は有利になることが考えられます。身近な商品をどのように広げていけるかについて興味のある方にはぴったりな業界と言えましょう。

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アナリストになる夢を持ち、証券会社で営業をしながら日々頑張ってます。

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