ソフトバンクの孫正義会長兼社長は、なぜあんなにたくさんお金を持っているの?

ソフトバンクの孫正義会長兼社長は、なぜあんなにたくさんお金を持っているの?

世界展開を積極的に進めるソフトバンクグループ株式会社を率いる孫正義代表取締役会長兼社長。莫大な資産家としても知られていますが、その背景にある同社の業績やビジネスモデルについてチェックしてみましょう。


国内ナンバーワンの大富豪

米経済誌「フォーブス」の2018年版長者番付ランキングで、孫氏は2位の柳井正氏(ファーストリテイリング会長兼社長)をおさえて、2年連続の国内トップ。その資産は約2兆2930億円にものぼるといわれます。

東京都港区の超高級住宅街に915坪の自宅があり、不動産評価額が約64億円。この他、都内の高級料亭跡地に900坪の豪邸、銀座のティファニービルを個人で所有しており、米シリコンバレーにも100億円を超える豪邸があるそうです。

孫氏の資産をここまで拡大させたのは、ソフトバンクのビジネスです。売上高は2017年8月期までの5期間で、6兆6666億円から9兆1587億円へと1.37倍に増加しました。

英国の半導体企業のアームホールディングスを3.3兆円で買収を行うなど、2014年度、2015年度と投資を先行したため、利益を圧迫していましたが、2016年度を境に改善しており、2017年度の売上高営業利益率は14.2%と高い利益率を出しています。

ソフトバンクの「儲けの秘密」

ソフトバンクの強みは、事業への先行投資と多角化にあります。

創業から約10年間は、パソコン関連の出版事業や、最も安い通信事業者を自動的に選択するシステムである「LCR」の開発・販売などを行っていました。

このLCRがヒットしたソフトバンクは、1994年に株式を店頭公開してから急速にM&Aを積極的に進め、セグメント(事業領域)を変えながら規模を拡大していきます。

2006年には英国ボーダフォンの日本法人を買収し、国内の通信事業に参戦。現在は各業界トップクラスの会社と多数の戦略的提携を行う「群戦略」という手法によって、2040年にソフトバンクの時価総額を200億円にし、300年企業に成長させることを目指しています。

2014年度3月期のソフトバンクは、国内携帯事業のソフトバンクモバイルおよびワイモバイルが全体の収益の約5割を作り、営業利益では全体の66.8%を占めていました。2013年に米国4位の携帯会社であるスプリントを買収し、米国市場へ本格参入しています。

それが2018年3月期になると、セグメントに変化が生じています。2015年に買収した英国・アームHDの事業や、携帯端末の流通を行うブライトスターの事業が追加されました。

巨大ファンド事業である「ソフトバンク・ビジョンファンド」についてもセグメントに追加され、営業利益の22.5%を占めるまでになっています。その一方で、大型の企業買収を繰り返した結果、グループの長期有利子負債残高は14兆円に迫る勢いで膨れ上がっています。

孫会長の役員報酬は思ったよりも少ない?

2018年3月期の有価証券報告書を見てみると、ソフトバンクグループでは孫会長を含めて6名が役員報酬を1億円以上もらっています。しかし孫会長は6人の中で最も低い報酬である1億3700万円でした。

ソフトバンクグループには3名の社外取締役を含む12名の取締役がおり、そのうち役員報酬が1億円を超える取締役が孫会長を含め6名います。最大の役員報酬はロナルド・フィッシャー副会長の20億1500万円。孫会長の右腕として長くソフトバンクをけん引してきた宮内謙取締役の役員報酬は8億6800万円です。

その一方で孫会長は、同社株の21.22%を保有する筆頭株主です。2018年9月4日現在のソフトバンクの時価総額は国内2位の10兆9472億円ですので、孫会長の持株時価は2兆3230億円となります。

ソフトバンクの1994年の上場時の時価総額は2693億円でしたので、単純に企業価値が41倍に増加したことになります。

同社の配当利回りは、2018年3月期時点で0.44%。年間44円の配当ですが、孫会長は同社株を約2億6934万株保有しており、年119億円の配当を受け取っている計算になります。

ただし上場会社オーナーの場合、配当には総合課税されるので、最高税率の55%を適用され、年65億円もの税金を支払っています。それでも54億円が残り、資産が毎年積みあがっていきます。

従業員1人あたりの営業利益は安定

ソフトバンクグループは持株会社です。2018年3月期のグループ全体の従業員数は74,952人と多いですが、単体では195人しかいません。2017年度の平均年間給与は、単体で1,158万円にのぼりますが、必ずしもグループ全体の傾向を反映しているとはいえないでしょう。

連結従業員1人あたりの売上高は、2015年度をピークに右肩下がりになっていますが、同営業利益は横ばい。単体の平均年間給与も大きく変化していません。

連結従業員を参考にした売上高と営業利益では、売上高は2016年3月期をピークに下落基調にありますが、営業利益は緩やかに上昇傾向にあります。ソフトバンク・ビジョンファンドを含めた投資事業の利益貢献が寄与しています。

今後孫会長に付きまとう問題が、過去最大級の相続問題となります。一度はソフトバンクの後継者を外部から招へいしたものの、その後退職するなど後継者問題についても大きな問題となっています。

果たして誰がソフトバンクグループを引き継ぎ、莫大な資産がどのように相続されるか非常に気になる問題です。引き続き目が離せません。

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アナリストになる夢を持ち、証券会社で営業をしながら日々頑張ってます。

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