クラステクノロジー・瀧下社長インタビュー:日本の製造業の生き残りをかけた「新しいものづくり」をシステムで支援したい

クラステクノロジー・瀧下社長インタビュー:日本の製造業の生き残りをかけた「新しいものづくり」をシステムで支援したい

製品・生産管理全般をカバーする「ECObjects」(イーシー・オブジェクツ)という自社開発ソフトウェアで、日本の製造業の「新しいものづくり」を支えることを使命に掲げる株式会社クラステクノロジー。現在社員70人弱の同社が、プロジェクトリーダー候補などの人材募集を行っている。どんな会社で、どんな人材を求めているのだろう。


JR代々木駅の北口改札を出て、すぐ左。徒歩数秒の場所にクラステクノロジー社の東京オフィスがある。大手有名企業をクライアントに自社パッケージソフトの開発と販売を行う会社だが、BtoBの法人ビジネスのため、その名前はあまり知られていない。

しかし、独自の意欲的なコンセプトを基に、日本の製造業を支える情報システムを開発する仕事は、大手クライアントからも信頼を得ている。「"日本発・世界初"クラスのテクノロジーで社会の発展に貢献する」という企業理念を掲げる会社の現状と未来について、代表取締役社長の瀧下省吾氏に聞いた。(聞き手:TENSHOCK編集部)

製品開発・生産管理全般をカバーする「ECObjects」

――御社の主要商品は「ECObjects」(イーシー・オブジェクツ)というソフトウェアということですが、全事業のどれくらいを占めているのですか。

瀧下 売上高の98%は「ECObjects」を中心としたパッケージソフトの販売と、それに伴うシステム開発が占めています。このソフトは製造業のお客様に、製品開発管理・生産管理全般にわたって、仕事の効率アップ・無駄の削減にお役立ていただけるシステムです。

株式会社クラステクノロジー 代表取締役社長 瀧下省吾(たきした・しょうご):大手総合電機メーカー系SIerを経て、2014年入社。営業本部長を歴任後、2016年6月より現職。

――製品開発管理・生産管理全般とは、具体的にどの範囲になりますか。

瀧下 製品の「設計」「試作」「購買」「生産」「保守」といった業務プロセスすべてです。生産管理を回して、ものづくりのラインを経て、出荷されるまでとなります。
逆に含めていない方で言うと、販売管理系、物流系、決算系です。あと、CAD(キャド)自体は含んでいませんが、CADで設計されたものを「部品表」という製品管理システムに取り込むところからは、全てカバーしています。

――「ECObjects」は、他のシステムと比べてどのような競争力があるのでしょうか。

瀧下 まず、創業者の四倉(幹夫氏。現・代表取締役会長)が創業時から提唱している「統合化部品表」がキーコンセプトとなっていることが特徴です。世の中には製品管理や生産管理を支援するソフトは、いろいろなものが出ていますが、いずれも設計や生産といった業務部門ごとだったり、あるいは原価管理やスケジューラーといった機能ごとに、個別のシステムになっています。
我々のパッケージは「ECObjects」シリーズとして、1つのDB(データベース)に集約された「統合化DB」によって、製品開発管理・生産管理領域のアプリケーションを統合しているところが違うのです。

――データベースの統合によって、どのようなことが可能になるのですか。

瀧下 我々のシステムは、製品開発管理や生産に必要な情報を統合する「統合化部品表」によって、全ての業務を一気通貫で管理するという思想を持っています。これによって、いろいろな業務のアプリケーションがひとつのデータを基にすべて回るようになるのです。これは他社のシステムにはないオリジナルな考え方といえます。

「統合化部品表」に関するビジネス特許を取得

――コンセプト自体が、強みの源泉のひとつということですか。

瀧下 我々は1996年に生産管理システム・ソリューション会社として設立した会社ですが、当初からこういったコンセプトで製品化を進めてきました。ただ、コンピューターの性能がまだ低かったころには、大きな規模のデータ量になってくると、業務をスムーズに回すためのインフラの機能が満足いかなかったこともありました。
その後、インフラやデータベースの進化とともに、我々のシステムも非常にスムーズに、ストレスなく動くようになり、お客様にもご満足いただけるようになりました。そういう背景もあって、ようやく全領域をカバーしてデータベースを統合するという考え方が、ユーザーに受け入れられてきたのではないかと思います。

――このコンセプトは御社独自ということですが、参入障壁はありますか。

瀧下 日米欧で「統合化部品表」に関するビジネス特許を取得してきました。我々のような本当の意味での統合化というコンセプトでパッケージ化し、広範囲の業務をカバーしているソフトは国内には見当たりません。
カバーする業務範囲が大きくなることでシステムの規模が大きくなるので、一度に導入できる会社は限られると思います。そこで、一度に全領域を置き換えるだけではなく、まずは部分のリプレースをして、少しずつ枝葉を伸ばしていきましょうという提案をしながら、お客様との関係を強固にしているところです。

クラステクノロジーの開発思想「エンジニアリング・チェーン・マネジメント」

――このシステムは、どのような業種で利用できるのでしょうか。

瀧下 あらゆるものづくりの現場で利用できますが、これまでに電機・電子機器メーカーや自動車部品メーカー、工作機器・産業機器メーカーのほか、食品や塗料などのプロセス系、建設資材の管理の現場でもお使いいただいております。

――クライアントには、新幹線の車両も作っている鉄道車両のトップメーカーである川崎重工業など、大手企業の名前が並んでいますね。

瀧下 製造業は大手でも中小企業でも、準備しなければならないこと、やらなければいけない業務は、ほぼ同じなんですね。必要なシステムも、あまり変わらない。
ただ、全ての領域を一度にシステム化しようとすると大規模なシステムになるので、大きな投資が必要となります。それによる経済面も含むメリットを感じていただけるとなると、やはり売上規模の大きなお客様の方が、我々のようなシステムを結果的に導入しやすかったということだと思います。

株式会社クラステクノロジー 導入事例一覧

https://www.class.co.jp/case/all/

ECObjects 主な導入実績 ※以下を中心に、大手電機、自動車メーカー他 160社以上への導入実績がございます。

*川崎重工業(車両カンパニー)/大崎電気工業/愛三工業/アンデルセンサービス/アルバック/愛知時計電機/チノー/ガスター ほか

「お客様の困りごとを想像できる人」に育ってもらいたい

――現在、いくつかの職種で求人をされていますが、どのような人材像を求めていますか。

瀧下 メインで募集しているのは、システムエンジニアですね。といっても、単純にプログラミングができればいいのではなく、やはりお客様と話せるプロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャー、もしくはそれを目指すやる気のある方々に来てもらいたいと思っています。

――具体的に、このような資質やスキルが欲しいというのはありますか。

瀧下 まず新卒をイメージしてお話しすると、理系文系にはあまりこだわらず、お客様の業務を早く理解できる、柔軟な頭を持った人に入ってもらいたいと思っています。製造業のお客様と会話ができて、業務を早く理解できる人材に育ってもらうこと。これが会社の強みにもなります。
そして、業務を知った上で、お客様の困りごとが想像できる人。課題解決を提案できる人。しかも、それをお客様に分かりやすく説明できる人。そういうエンジニアに育ってもらうことを、当社の人材育成の目標としています。

 


――中途入社は「システム構築経験」をあげていますが、どの程度を想定されていますか。

瀧下 プロジェクトマネージャーは、お客様の業務の課題をしっかりとお聞きしながら、我々のパッケージをどういう風に当てはめていくかということを、お客様と一緒になって設計していくのが役割です。また、実装段階においては、プロジェクトのメンバーであるプログラマーやSEを統率、牽引しながら、お客様と一緒に稼働まで持っていく責任が求められます。いわゆるプログラムが書けるというだけでなく、お客様とネゴシエイト(協議・取り決め)をしながら、プロジェクトのメンバーを動かしていける人です。
製造業の経験という条件をつけてしまうとかなり人材が限られてしまうので、製造業でなくてもある程度の規模のシステム構築の経験、プロジェクトマネジメント経験がある人を想定しています。ただ、そのような経験がなくても、新卒であげたような素養のある人で、スピード感をもってリーダーやマネージャーになってもらえる人であると感じられれば、候補とさせていただくことができるのではないかと思います。

――スキル以外の、キャラクターみたいな部分はどうでしょうか。

瀧下 お客様は大手の製造業が多いので、浮足立ったような雰囲気の人材は好まれないでしょうね(笑)。真面目で堅実で、礼儀正しい人材に向いている仕事です。
そんなにガチガチに、冗談も言わずにやれとは言いませんけど、誰が見ても真面目に真摯に取り組んでいるなと感じられるような人を、優先的に考えたいとは思いますね。

グローバル化への対応は「織り込み済み」

――現状ではさまざまな強みを持っている御社のシステムですが、これからは製造業全体が大きく変わっていく時代です。どう対応していこうと考えていますか。

瀧下 グローバル化はすでに進んでおりますが、海外展開をする会社がますます増えるでしょう。日本国内にヘッドオフィスを持ち、国内に拠点をいくつか持ったうえで、さらに海外の会社をM&Aしてネットワークを拡げていく。そのときに、すべての拠点の管理を同じシステムでまかなった方が、当然効率がよくなりますよね。

――根幹となるシステムができていることが条件になりますが。

瀧下 分かりますよね。海外の工場を買収したとき、その工場と自社のしくみをどうやって統合するのかというところが、一番困ることでしょう。業務がシステム化されていれば、海外の工場にそれを適用してもらえばいい。
実際、海外に工場を持っていても、設計は日本でやっている場合が多いんです。部品が変わったり、仕様が変わったりしたことをシステムに入れれば、世界中にタイムラグなく伝達できるようになれば、まったく効率が変わってきます。

――そのような取り組みをしているクライアントは、すでにあるのでしょうか。

瀧下 ええ。日本の本部のシステムで、国内外の拠点を一元管理しているお客様も、たくさんいらっしゃいますよ。

――ということは、グローバル化に対応するシステムは、すでに先を見て取り込んでいるということになりますね。

瀧下 グローバル化だけでなく、「新しいものづくり」にも対応する力が我々のシステムには組み込まれています。製造業には「インダストリー4.0」というバズワードがありますよね、その中身はまだ分からないところもあるのですが。
ただ、その中でも言えることは、何でもいいから大量に作ればいいという時代ではなくなっているということです。そして、お客様個人の要求に、いかにタイムラグなく応えられるか、製品を提供できるかといったことが、これからの製造業の価値を生むと思いますし、それができるためのしくみが必要だということです。

生き残りを賭けた「日本の製造業の支援」に使命

――「新しいものづくり」とは、どのようなものでしょうか。

瀧下 我々は統合化部品表というコンセプトを用いて、日本の製造業の受注生産と、大量生産のやり方をすべて共存できるようなしくみを15年前から作り上げていけるようにしています。
このことについては、我々の会社の創業者である四倉が「マニュファクチャリング4.0」という考え方を提唱し、『最適生産とは何か』(発売:ダイヤモンド社)という書籍にもまとめています。これまでできなかったカスタマイズができることが、先進工業国の製造業が生き残っていく中で最後の課題となる。それを実現するための血となり肉となる部分が、我々のパッケージの中に組み込まれているのです。

――確かにコスト面など、新興国には勝てない部分もあります。

瀧下 これをやらないと、いずれ日本は中国やインドに飲み込まれてしまう。完全な見込み大量生産であれば、いずれ彼らの方が上回ってしまうでしょう。

――最後に、転職志望者へのメッセージをいただけないでしょうか。

瀧下 これまで述べてきたようなことを、ともに目指してみたいという意気込みがあるのでしたら、ぜひ一緒にやっていきましょうということになるでしょうね(笑)。現在は社員が70人弱なので、海外のお客様からの引き合いに応えられる陣容にはなっていないのが現状です。しかしこれから中途の方を含めて体制を整えて、海外のお客様にもサービスを提供できるようになるのではないかと期待しています。

人事制度や福利厚生などは、創業期からあまり目立ったことはしていないのですが、お客様が大手であることが多く、社員に寂しい思いをさせたくないという気持ちがあるので、大手のいいところと、中小のいいところを組み合わせてやっていこうと考えています。給与体系や業績評価制度はしっかり作っており、エンジニアの技術ランクをきちんと評価して、年に1回は昇給や昇格を行っています。

生き残りをかけた日本の製造業の支援を、これからしていかなければならない。そのような使命を果たすために、我々のコンセプトは将来にわたって通用していくのではないかと考えています。力を貸してくれる人の応募をお待ちしています。

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