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日立グループ「子会社4割削減」の衝撃 親会社の方針変更で「子会社社員」は翻弄される

日立グループ「子会社4割削減」の衝撃 親会社の方針変更で「子会社社員」は翻弄される

せっかく大企業の子会社に入ったと安心していたのに、グループ内の統廃合でいつの間にか予想しないところに流されていた……。そうならないためにも、就職・転職志望者は会社の事業内容をきちんと把握しておきましょう。


国内最大の電気機器メーカーである日立製作所を頂点とする「日立グループ」が、今後3年間で子会社を約4割減らすと報じられている。

日立製作所のウェブサイトによると、2017年末の連結子会社数は885社。そのうち「海外」の欄には598社が並んでおり、全体の約68%を占めている。海外進出を加速する過程で、この海外子会社が肥大化したと見られているようだ。

親会社からの発注減り「会社の方向性が不透明に」

新しい市場や分野に進出するために、子会社を作って機動的に対応し、時期を見て本体に取り込んだり子会社同士を再編したりする手法は、どの企業グループでも行われている。

2015年9月の東洋経済「「連結子会社が多い」500社ランキング2015」によると、1位はソニーで1240社。日立グループは2位で、この時点で1008社あった。ここから2年あまりで、すでに123社が削減されたことになる。

たとえば、グループ内SIerのひとつである(旧)日立アイ・エヌ・エス・ソフトウェアは、同じSIerである(旧)日立公共システムと2018年4月に合併し、日立社会情報サービスとなった。これに先立ち、日立公共システムは2014年1月に(旧)日立公共システムサービスを吸収合併している。

企業口コミサイトの「キャリコネ」には、合併前の日立アイ・エヌ・エス・ソフトウェアの社員や元社員が書き込みを残している。30代のシステムエンジニアは、合併前に退職した理由についてこう記している。

この男性によると、会社は「日立グループの中でもtier2(二次下請け)くらいに相当し、関連会社の中でも低い方」だったという。グループ内にも序列があるのか。安定した仕事でガツガツせずに済むと思いきや、親会社の方針変更で環境は一変する。大企業子会社の悲しいところだ。

「天下り」のせいで実戦部隊の給与が低いまま

さらにこの男性は、子会社の要職を親会社の「天下り」が占めていたと嘆く。

(旧)日立アイ・エヌ・エス・ソフトウェアへの出資比率は、日立製作所が80%、日立ソリューションズが20%。親会社の「働かないおじさん」の終身雇用を維持するために、子会社のヒラ社員が稼ぎを肩代わりし、雇用の調整弁となる。「日本型雇用」の隠れた犠牲者といえるのかもしれない。

組織の統廃合によって外に弾かれる人がいる一方で、中に残った人たちにも悩みはある。「元の組織」による派閥が残り、いつまでも融和できないために、非効率な業務環境が生じてしまうことだ。

電気機器の設計・製造・販売を行う日立ハイテクノロジーズは、1947年に設立された(旧)日製産業が、日立製作所の計測器グループおよび半導体製造装置グループと事業統合し、2001年に誕生した会社だ。

その後、日製・日立両方の子会社を吸収合併しながら規模を拡大し、いまや日立グループの中核会社に成長した。しかし2015年になっても、社員からはこんな声が漏れている。

吸収合併後に「減給」や「事業売却」も

日立電線はかつて「日立御三家」と呼ばれる名門子会社だったが、2013年7月に日立金属に吸収合併された。合併前の社員は「同じような製品を作り、グループ会社間で争っている」無意味な状況があったと指摘する。

この男性によると、吸収された会社の社員は、赤字事業を引き受けてもらう形になることで「給与面で減給」される可能性を明かしている。今回のグループ会社再編でも、同じように給与が下がるケースがあるのかもしれない。

事業毎の売却の可能性もあるようだ。吸収した側の日立金属の社員は、合併後の電線事業の行く末について、こんな書き込みを残している。

このほか、大企業の子会社では、親会社からの出向組と、他社からの転職組との間で「カルチャー」や「仕事の仕方やスピード」の違い日立コンサルティング)があり、ストレス源になる可能性があると書き残す人もいた。

冠に大手企業の名前が付いていると、世間体がよく、経営も安定しているというイメージがある。しかし入社する子会社によっては吸収合併や統廃合の対象となり、給与削減や事業売却の憂き目に遭うこともあるようだ。事業内容をしっかり見極めて選択したい。

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