「ブラック企業」はホームページで見破れる!――求人広告では分からない3つのポイント

「ブラック企業」はホームページで見破れる!――求人広告では分からない3つのポイント

ブラック企業の見分け方というと「求人票」の書き方や「企業説明会」「面接」での印象、「ネットの口コミ」で行うという人が多いでしょう。TENSHOCK編集部がオススメするのは、「企業のホームページ」をよく見ること。情報の公開の仕方やその内容に、会社の良し悪しが現れているものです。


【ブラック企業リスト】「サービス残業で社名公表」は避けられない! 厚労省の公表事案をTENSHOCK編集部が分析

https://tenshock.biz/articles/2499

厚生労働省は2017年9月15日、労働基準関係の法令に違反した疑いで送検された国内企業リストを更新しました。「労働基準関係法令違反に係る公表事案」と題された本リストは、いわゆる「ブラック企業リスト」として各メディアに取り上げられています。掲載された427社の事案には、どのようなものがあるのでしょうか。編集部が分析します

1.業績が右肩下がりの会社がホントに危ないワケ

ある程度の規模の会社であれば、ホームページに業績数値を公開しているはずです。特に上場企業は「有価証券報告書」で事業のレポートを出さなければなりませんし、株主向けの「IR情報」を掲載しているはずです。こういった公開情報の中には、会社の業績が垣間見られる情報がたくさん含まれています。

どうせ分からないと諦める前に、まずはホームページを訪れてみましょう。最初に確認すべきは、会社の業績グラフです。グラフで出していない場合には、情報を分かりやすく出したがらない会社ではないかと疑ってみましょう。

仏の社長が悪魔に変わる「業績悪化」

あまりにも当たり前で、ふざけていると思われるかもしれません。しかし就職・転職希望者の話を聞くと、会社の業績や事業についての関心があまりにも薄く、知識が乏しい人が多いことに驚かされます。これは非常に危ないことです。

なぜ業績が右肩下がりの会社に、入社すべきではないのか。それは、業績悪化こそ「会社がブラック化する最大の原因だから」です。ブラック企業というと、最初から悪意の塊のような社長が経営していると思われていますが、それはごく一部。好況期には優しかった経営者や管理者が、業績悪化に伴って鬼や悪魔のように変わっていく例は、枚挙に暇がありません。

誤った経営戦略の下でブラック化が進む

給料が安い、残業代が支払われない、長時間労働を強要される、ノルマが重すぎる、社員の人間関係がギスギスしている――。これらブラック企業の特徴といわれるものは、すべて好業績によって解決される可能性があります。少なくとも業績が低迷しているうちは、改善されることはありません。

会社が儲かっているのに従業員を搾取している場合は別ですが、そのような真性ブラック企業は割合としては高くないものです。業績低迷&右肩下がりの最大の原因は、経営者の能力が低く、経営戦略が誤っているから。事業環境が激変しているのに、それに対応する適切な手を打つことができないから、業績が低迷するのです。どうせ入るなら、頑張りが報われる会社に入った方がいいのではないでしょうか。

経営者の経営能力が低い会社に入ってしまうと、努力が泡と消えることになります。いくら一生懸命やっても儲かる見込みのない事業を無理やりやらされることほど、虚しいことはありません。右肩下がりなら、ブラック化はさらに進むことでしょう。

このような会社は、「安定性が高い」と思われている東証一部上場企業の中にも存在します。したがって、その会社に何十年も勤めることを考えれば、より重要なのは現時点での見せかけの安定性ではなく、「成長性」や「将来性」なのです。

飼い殺しで未来を台無しにするブラック企業

逆に、伝統があるのに事業を大胆に再編し、成長性を創造する会社もあります。たとえば、保守的な日本的メーカーと思われているデンソーは、最先端の電気自動車や自動運転の技術を研究しています。日立造船は現在では造船をしておらず、環境保全装置やプラント、電気自動車向けの電池などに事業の舵を切り、生き残りを図っています。

将来性のある新分野の仕事に関わることができれば、将来の転職可能性も高まり、キャリアアップも期待できます。逆に、仮に会社が存続していても、将来性の低い分野のスキルしかなければ、どこにも転職できず、リストラされれば終わりです。このように従業員を飼い殺しにし、未来を台無しにするのもブラック企業の一種なのです。

会社の業績は上場企業の場合、ホームページの「IR情報」「業績ハイライト」などのコーナーに掲載されています(TENSHOCKのまとめ記事からなら簡単にチェックできます)。未上場企業でホームページに掲載していない場合には、面接で確認しましょう。ここで言葉を濁すような会社は、後ろめたいことがあるに違いありません。

2.その会社はきちんと情報公開を行っているか?

ホームページがしょぼい会社は危ない!

TENSHOCK編集部では、企業まとめを作成するにあたり、すべての上場企業のウェブサイトをチェックしています。そこで分かるのは、コーポレートサイト(ホームページ)をしっかり作っている会社と、そうでない会社があるということです。

インターネットが社会インフラとして確立したいま、ホームページは会社の顔。求人広告は立派でも、ホームページがしょぼいということは、社外の投資家や就職・転職希望者への意識が低いと判断していいでしょう。もちろん単に高機能とかおしゃれとかならいいわけではなく、きちんと誠実に情報公開がなされていることが大事です。

【夢の転職】ブラック企業を辞めて「ホワイト企業に転職したかすみ」まとめ~有休OK・残業代満額・完全週休2日制

https://tenshock.biz/articles/2270

昨年10月から今年2月にかけて相次いでツイッターに投稿された、結城鹿介さん(@shikanos)作の一コママンガ「ホワイト企業に転職したかすみ」シリーズ。多いもので1万4000件を超えるリツイートがある。蛇足ながらコメントを加えて、一連の投稿をまとめてみました。

分かりやすくグラフ化している会社は安心

上場企業であれば、売上高や営業利益、純利益などを財務諸表で公開することが義務付けられていますが、これをさらにグラフなどに加工して、分かりやすくホームページに掲載している会社はプラスに評価できます。

▲会社業績をグラフで堂々と表示するサイバーエージェント(会社サイトより)

この点で優れている会社の代表例は、サイバーエージェントです。業績を非常に分かりやすくまとめていますし、さらに会社独自の分析をして社員の「年齢内訳」や「男女比」「新卒/キャリア(中途入社)比」などもグラフにして載せています。

なぜこのようなことができるのかというと、ひとつは「業績が絶好調」だからです。自分たちのビジネスに成長性と将来性があるという自信が、このような情報公開につながっているのでしょう。

また、投資家や入社を希望する人材には、正しい情報にもとづいて正しい判断をしてもらいたいという意図もあるはずです。いずれにしても、これはきちんとした会社の姿勢であり、ブラック企業ではない確率が高いです。

怪しげなグラフを見たら口コミサイトでウラを取れ!

もちろん、一見すると分かりやすいグラフに見えても、成長性を大げさに見せたり、都合のいい部分だけを強調している会社もあります。あまりにも“カッコいい”と感じるホームページには冷静になり、騙されないようにしましょう。そういう怪しげな部分を発見したら、会社の体質そのものをいちど疑ってみるべきです。

ホームページはキラキラしたヴィジュアル満載で、求人広告では社員が「日々成長を実感!」と言っているのに、キャリコネなどの口コミサイトには「ノルマが重すぎてパワハラが横行」「深夜、休日も残業代なし」「社長の怒号がひどすぎて電話口のクライアントがドン引き」みたいなことが書かれている会社もあるのです。多角的な情報収集を行い、企業の実態を見極めましょう。

言うまでもなく、ホームページでの情報公開に消極的な会社は論外。閉鎖的な社風の場合が多いです。無機質な業績数値を並べた表だけしか載せていなかったり、「有価証券報告書のPDFを載せておくから、勝手にダウンロードして」で終わらせたりするような会社の業績は、往々にして冴えないものです。

社長と役員の写真は必ずチェックしよう

これ以外にも、役員や社員が顔出し、名前出しでホームページに登場しているかどうかもチェックポイントです。役員の顔写真とともに、責任範囲を明確に記載しているところは、成果に照準を当てた生産性の高い会社に違いありません。

▲サイバーエージェントの取締役(CA8)が掲載された企業サイト

取締役や執行役員の管轄(責任範囲)が、顔写真とともに明記されている。

社長の顔写真が載っていない会社は基本的に論外ですが、成長企業であるエムスリーの谷村格氏のように、顔写真を一切出さないケースもあります。これは例外中の例外でしょう。特別な思いがあってのことだと思います。

逆に、社長の写真だけが妙に豪華な場合も気になります。人間、顔だけで判断はできませんが(ルックスがよすぎる場合を含む)、入社を迷っているのであれば、匿名掲示板の書き込みを見る前に、ホームページで社長の写真をじっくり見てみることをおすすめします。

3.「同族経営かどうか」だけはチェックしよう

同じ苗字の人が経営者に名を連ねていないか?

ホームページを見たときに、社長と同じ苗字の人が会長や専務、相談役などに名を連ねている会社があります。その会社はもしかすると、同族経営をしているのかもしれません。

同族経営とは、特定の親族などが支配・経営する組織を指しますが、必ずしも悪いことばかりではないとも言われています。たとえば株主の大部分をオーナーや親族が占めている場合、株価を上げるための努力を本気で行う可能性が高くなります。雇われのサラリーマン社長とは、気合いが違います。

若いころから後継者としての教育を受けていたり、親族間で株式を多く持っているので長期的な視点で経営できるなど、メリットもあります。統制が強まり、社内が派閥によって割れにくくなるという声も聞かれます。

「その一族でないと出世できない」会社でいいのか

その一方で、同族経営はその一族でないと出世できないとか、物事が鶴の一声でひっくり返ってしまうとかいう弊害もあります。横暴なオーナー社長にパワハラされたり、無能な息子が後継者になって会社が傾いたりするケースは、まさにブラック企業の典型といえるでしょう。

専務・常務などの肩書きだけで、担当部門が書かれていない場合もありますが、きちんとした会社であればありえません。親族であっても娘の夫であるなど、苗字が違う場合もあるので注意が必要です。キャリコネで「同族」を検索すると400件以上の口コミが見られますが、たとえば東京・赤坂に本社を置く上場企業の社員は、次のような書き込みを残しています。

「同族企業のため、親族の息がかかっていたり、○○県出身者でないと出世は難しい。プロパー社員の中にはコネ入社のひとが多いので、身内にスパイがいる、会議室に盗聴器が仕掛けられている、などの噂は絶えなかった」

企業口コミサイト「キャリコネ」のデータベースから「ブラック企業」を見つけるコツ

https://tenshock.biz/articles/2369

「キャリコネ」の口コミは企業名だけでなく、自由なキーワードによって検索することが可能です。検索ワードの選び方によっては、ブラック企業疑惑のある会社をあぶり出すことも。いろいろな言葉を入れて、ぜひ試してみてください。

まとめ

以下、ブラック企業を避けるためのポイントをおさらいしましょう。

求人広告だけでなく、企業のホームページも見てみること。

特に会社の業績と、経営陣の顔写真と名前、職責は必ずチェックしましょう。TENSHOCKの「転職企業まとめ」なら、わざわざホームページを探さなくても、平均給与や平均年齢、平均勤続年数をはじめとする必要な情報がワンストップで入手できます。

【中途入社55%】株式会社サイバーエージェントに転職するなら知っておきたい情報まとめ

https://tenshock.biz/articles/7

「21世紀を代表する会社を創る」というビジョンを掲げる東京・渋谷の会社。2016年10月27日発表の通期業績は、「AbemaTV」等へ約100億円の投資をしつつ連結売上高、営業利益とも過去最高を更新。新卒入社とキャリア入社がほぼ半分ずつ。多くのベンチャー経営者を輩出していることでも知られる。

口コミサイトの「社員の声」で会社の内情を確認すること。

業績グラフが派手すぎるとか、社長の顔が怪しいなどと感じたら、口コミサイトで社員やOBOGが書き残した「内情」を確認しましょう。そこには会社の正体が表れているのかもしれません。それから「同族企業」かどうかも要確認。入社してから「何これ!?」と思わないように。

 

このほか、社会人の場合、求人広告や会社の採用サイトから応募するのではなく、転職エージェントに相談してみるのも手かもしれません。転職コンサルタントは会社の内情をよく知っており、応募者のニーズに合った職場かどうかを判断してアドバイスしてくれます。

キャリコネがおすすめする、信頼の大手人材紹介サービス4社

https://careerconnection.jp/consultant/agent.html?utm_source=tenshock&utm_medium=2428&utm_campaign=body&utm_content=link_8-4&dmai=TEN

信頼の大手人材紹介サービス会社「リクルートエージェント」や「マイナビエージェント」、「PASONA(パソナ)」や「DODA(デューダ)」に登録

仕事の内容から給与水準、キャリアパスや社風に至るまで、分からないことは気が済むまで確認してみましょう。また、そもそも自分にどのような仕事や会社が向いているのか分からないときは、「転職診断」のようなサービスを使って、メールで提案してもらうことも考えられます。

 

ブラック企業の評判・口コミまとめ(社員の使い捨て、長時間労働、大量離職環境から逃げ出したい)

https://tenshock.biz/articles/2446

口コミサイト「キャリコネ」に寄せらせた、ブラック企業に対する口コミのまとめです。社員のコマのように扱っている、長時間労働が当たり前になっている、大量採用したと思ったら全員離職等の声が上がっています。ブラック企業に転職しないようにするために、ブラック企業の特徴を見抜くためのヒントとしてください。

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