破産した「てるみくらぶ」社員が残した悲鳴 「ありえないノルマ」「長時間のサービス残業」「無責任な上司」

破産した「てるみくらぶ」社員が残した悲鳴 「ありえないノルマ」「長時間のサービス残業」「無責任な上司」

格安旅行会社「てるみくらぶ」の自己破産が、社会に大きな衝撃を与えている。楽しみにしていた海外旅行が中止になったうえ、代金もかえってこないと呆然とする人が多数発生しているが、社内では以前から社員が過重労働に苦しんでおり、「とにかく人が定着しない」という状況もあったようだ。


格安海外ツアーで知られた旅行会社「てるみくらぶ」が3月27日、自己破産を発表した。同日に山田千賀子代表が記者会見を開き、「自転車操業のつもりはなかった」と釈明。しかし企業口コミサイト「キャリコネ」への書き込みを見ると、薄利多売のビジネスが以前から社員に耐え難いプレッシャーを与えていたことが伺える。

お客様からクレームが来ても「絶対に上司は出さない」

「キャリコネ」の企業別総合評価で、てるみくらぶは5点満点で1.9点。特に「労働時間の満足度」「ストレス度の低さ」「ホワイト度」がいずれも1.4点と、かなりの低水準だった。

出典:キャリコネ(2017.3.28現在)

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格安旅行会社は薄利多売で給与は低く、長時間労働を余儀なくされる。「キャリコネ」をはじめとするネットの書き込みに共通するのは、次の3つだ。

・仕事量の多さとノルマの重さ
・長時間労働とサービス残業
・困った新人を助けない先輩社員や上司

最初の書き込みは、2012年にさかのぼる。この時点で20代の女性は、すでに求人票とは異なる労働環境にうんざりしている。

「1人に任せられる仕事の量が多い。定時を8時40分から17時40分と謳っていた割には、実際は朝もっと早く来て、繁忙期には22時残業が当たり前」
「お客様からクレームが来ても絶対に上司は出さない。自分で解決しろという社風があります。新入社員でも同じなので、結局お客様とうまく対応ができず、対応が長引いたりするなどの悪循環に陥っている感じでした」

この状況は2015年になっても変わらないどころか、さらに進行する。商品企画の20代男性は、退職後に職場の様子をこう振り返っている。

「とにかく拘束時間が長いです。8時半から17時半と謳っていますが、お客様用の(電話)回線は20時まで開いているのでそれまでは絶対に帰れません。上司が仕事をてきぱきこなして早く帰る人間より、ただ遅くまで残っている人間の方を評価するので誰も帰ろうとしません。22時や23時まで残業して帰ろうとしても帰りにくい雰囲気があります。それでいてみなし残業が40時間近くあり、そのうえ21時までしか残業代は出ません」

全員キャパ超え。男性社員は社内に泊まって残業

2016年5月には、テレフォンオペレーターの30代男性がこう嘆いている。

「一人当たりの業務量が膨大です。格安ツアーを多く扱うため、薄利多売。そのため、各部署各担当者が全員キャパを超えています。お昼休みも規定時間しっかり休む社員はいません。残業も毎日で、休日出勤もしていました。男性社員は社内に泊まって残業している人もいました」

この人は、上司にクレーム対応の相談を真剣に聞いてもらえず、会社側に原因があったとしても「なんとか押し通せ」と言われたと明かす。2017年に入ると、代理店営業を担当する20代の男性が3月11日にこんな書き込みを残している。破産手続開始の2週間ほど前の話だ。

「ありえないほどのノルマが与えられます。具体的には1人に対して、2人でもこなせないような金額のノルマが日単位で割り当てられ、こなせない場合には部長からお叱りを頂きます。結局3ヶ月で1度しかノルマ達成は出来ず、モチベーションに繋がるノルマでもなかったので、本当に意味がなかったなと思っています」

業界浄化のきっかけとなるか

中には「手をあげれば何でもやらせてもらえる環境」とポジティブに評価する人もいるが、それでも「とにかく人が定着しないので、他の人に仕事がまわってしまい、なかなか家に帰れない」のは変わらず、仕事量が多くて有給休暇を取得している人も少なかったという。

低価格サービスは顧客にとっては嬉しいことだが、サステナブル(継続可能)なビジネスでなければ、いつかは破綻する。チェーン居酒屋が激しい「ブラック批判」をきっかけに労働環境を改善させたように、旅行業界にも浄化の動きが進むことを期待したい。

内定取り消しの学生へ救済の手を差し伸べる旅行業界。人材不足が深刻さを物語る

内定取り消しになった学生に対して、日本旅行業協会は、てるみくらぶの内定者を集めて合同企業面接会を開いた。日本旅行業協会の会員企業に参加を呼びかけたところ、JTBなどの大手旅行代理店やエクスペディアなどの旅行予約サイト運営会社の新興企業まで、多くの手が上がり救いの手が差し伸べられたことは、それだけ旅行業界の人材不足が深刻だと言える。

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