【広告営業への転職】「広告代理店」はなぜ必要なのか?

【広告営業への転職】「広告代理店」はなぜ必要なのか?

「コンテンツのあるところに広告あり」という言葉をベースに、広告枠の買い付けと広告制作を代行する広告代理店の仕事を整理します。これを頭に入れておくことで、どのようなキャリアの人がどこに転職できるのかが分かるようになります。


「広告業界で働きたい!」と漠然と思っているだけでは、実現できません。業界には具体的にどのような仕事があるのかを知っておく必要があります。メディア枠の買い付けだけでない広告会社の仕事を理解しておきましょう。

1.コンテンツのあるところに広告あり

(ベクトル、30代女性・マーケティング職)中途採用から部長になった人はごく一部の限られた人。10数年前の第2創業期にプロパーで入社した人間がマネジメント層に多く、彼らがプロパーの人間を重宝するためです。

電通や博報堂のような会社が、なぜ広告「代理店」と呼ばれるようになったか、不思議に思ったことはないでしょうか? この経緯を知っておくことで、広告業界の仕事を正しく理解することができるのです。

新聞や雑誌、テレビ、ラジオなどは「メディア」「媒体」と呼ばれますが、これはさまざまな形で調達したコンテンツを載せる場所だからです。それとともにメディアは、そこに集まった人たちに広告を見せたい人たちの「広告媒体」になります。

「コンテンツ」のあるところに「メディア」あり――。中にはこれを逆転させ、新分野の広告事業を行うために新しいメディアを立ち上げる会社もあるほどです。

2.メディアと広告代理店はこういう関係にある

(トラフィックス、30代女性・営業企画)大手広告代理店の下請けのため、コンペ無しでキャンペーン企画が降りてくる。一から生み出すという面白みは無いが、全国的なキャンペーンの一角を担うと考えると、やりがいは十分にある。

本来、広告を出したい人は、メディアに直接交渉に行けばいいはずです。しかしメディア側もいちいちクライアントと交渉するのは面倒ですし、安定的な広告収入を得るために「広告枠」を買い取ってくれる会社があれば大変助かります。

そこで登場したのが「広告代理店」という存在です。つまり代理とは、メディアに代わって広告を集め、新聞紙面やテレビの時間枠などを埋めるという意味なのです。これを、媒体を買うという意味で「メディア・バイイング」という言葉を使うこともあります。

広告代理店には、さまざまな会社から幅広い仕事を受ける「総合広告代理店」だけでなく、特定会社の専属で広告事業を行うために作られた「ハウスエージェンシー」や、交通広告や求人広告など特定分野の広告を扱う「専門広告代理店」があります。

3.クライアントの広告制作も代行する

(京急アドエンタープライズ、20代男性・代理店営業)ハウスエージェンシーのため電鉄関連以外の仕事は、会社として消極的。社長含め、役員は電鉄からの天下りのため、プロパー入社含め先がつまっている。

もうひとつ、代理には「クライアントの代理」という側面もあります。まず大きな役割として、メディアと交渉して広告枠を獲得する仕事があります。大手メディアに広告を出したときには、代理店を通さなくてはならないのが一般的です。

ただしクライアントの中には、上質な広告を制作するための専門スタッフを持たないところが多いでしょう。そういうところに代わって広告代理店は、具体的な広告制作を代行する仕事を請け負うようになりました。

新聞広告やポスター、テレビCMを制作するために「デザイナー」「イラストレーター」「CMプランナー」などを抱え、読者や視聴者の興味を引く「コピーライター」が、クライアントにあった言葉を生み出します。

ここに、キャンペーンに起用するタレントの交渉やブッキングを行うキャスティング部門や、広告制作を統括するクリエイティブディレクターアートディレクターを加え、「クリエイティブ」のチームができるのです。

4.広告から派生した「マーケティング」にも関与

(アサツー ディ・ケイ、30代女性・代理店営業)みんな声も小さくどんよりしている。上位2社からは「幻の営業(存在感がない)」と言われているとか。営業!広告代理店!上位3位!というイメージは捨てたほうがいい。

このように、メディアの広告枠を買い取り、それをクライアントに売りつつ、付随する広告制作を請け負うのが「広告代理店」の主要業務です。ただし実際にはさらに派生して、幅広くマーケティングを取り扱い、企業にサービスを提供する存在になっています。

例えば広告を打つ媒体は、マスメディアだけとは限りません。電車内の中吊り広告のような「交通広告」もあるし、駅や街角に並んでいる「看板広告」もありますし、ダイレクトメール店頭POPも広告の一種です。

イベントを通じて告知を行う「イベント広告」もありますし、インターネット上のウェブサイトやSNSで広告を行う「デジタル広告」もあります。映画やアニメの製作に関わる場合もあります。

また、広告ではありませんが、前述したメディアに対し、企業や商品を記事として取り上げてもらうように働きかけるパブリシティ活動があり、「PR部門」がこれを担当します。

以上のような広告・PRを具体的に行うだけでなく、クライアントの課題を受けて、市場調査や分析を行い、どのような手法が効果につながるのか戦略・計画を立てる「企画・マーケティング職」もあります。デジタル分野の広告・マーケティングが増える中で、求められる役割は今後大きくなっていくでしょう。

このように幅広いクライアントから仕事を受ける広告代理店には、広告やマーケティング、PRや制作のノウハウが溜まっていきます。ですから大手企業は、企業活動を行うために広告代理店の力が欠かせなくなっているのです。

5.広告代理店の「仕事の構造」を理解しよう

(グリフィン、20代男性・プログラマ)某広告代理店の長時間残業問題について役員が「月100時間なんて余裕だろ?」と発言したことが、社員の間で話題になりました。

以上のような仕事を抱える広告代理店の「仕事の構造」を整理してみます。本来であれば、すべての仕事は「営業」から始まるのですが、実際にはクライアントと広告代理店との間には、長年の関係性ができています。

したがって現実的には、企画・マーケティング職が広告手法を練り、それを営業職がクライアントに合った形で組み合わせ、受注できたらそれをクリエイティブ職が制作する、という流れになっているともいえるのではないでしょうか。

<企画・マーケティング職>
・市場調査、過去データ分析
・マーケティング戦略案の策定

<営業職>
・クライアントの課題聞き取り
・マーケティング策を組み合わせた提案

<クリエイティブ職>
・受注した案件の制作

広告代理店に勤務した人に取材すると、企画・マーケティング職には、外資系の戦略コンサルタント会社からの転職者が増えているようです。確かに高度な調査・分析と、巧みな戦略プレゼンを積み重ねた経験は、広告業界でも応用できそうです。

また、営業やマーケティング職では、同じ広告業界で活躍してきた方は当然歓迎されますが、その業界の課題や相場観についてよく理解している人であれば、事業会社出身であっても転職の際にアピール材料となるようです。

ちなみに、上記で書いてきた仕事は、総合広告代理店の中ですべて行っているわけではありません。子会社や協力会社とともに行うことも多く、例えば博報堂・大広・読売広告社は博報堂DYメディアパートナーズを通じて共同でメディア・バイイングを行っています。

「電通の中途採用」は、やはり狭き門なのか 現役社員が語る「2017年最新事情」

https://tenshock.biz/articles/2186

社員の自殺が労災認定され、社会問題となった株式会社電通。2017年1月に就任した山本敏博社長は「労働環境の改革」を最優先の経営課題に掲げたが、その影響で新たな採用が増えているという噂は本当なのか。現役の電通社員に内情を聞いた。

 

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