「最近の新卒はレベルが低い」は本当なのか? 企業が実務経験者の「中途採用」に力を入れ始める理由

「最近の新卒はレベルが低い」は本当なのか? 企業が実務経験者の「中途採用」に力を入れ始める理由

空前の「売り手市場」といわれる2017年卒の就職戦線だが、採用担当者にとっては頭の痛い話が多い。人手不足の人材獲得競争の中で、「満足する人材が質・量ともに確保できていない」という声が続出しているのだ。(この記事は2016.6.16付けキャリコネニュースの記事を加筆したものです。)


中堅・新興企業が新卒採用に苦戦しているのは、優秀な人材が大企業に取られているから――。そう思われがちだが、原因はそればかりではない。新卒者の人材レベルが、全体的に低下しているのだ。

このことは、採用現場ではもはや常識だという。同じような指摘は、大学関係者からも聞く。その理由は「ゆとり教育」かと思いきや、実はもっと根本的な問題があるようだ。

 

人口は減っているのに、なぜか増えてる「大学生の数」

日本の18歳人口は1992年の205万人をピークに、一貫して右肩下がりだ。その20年後の2012年には119万人と、4割以上も減っている。その一方で大学進学率は26.4%から50.8%に跳ね上がり、大学卒業者数は43.8万人から55.9万人に増えている。

18歳人口が86万人も減ったのに、大卒者は12万人も増加――。これが、ここ20年の実態なのだ。

「高等教育を受けた人が増えたのだから、人材のレベルも上がるはず」という考え方もあるかもしれない。しかし大学教育の現実を考えれば、大学入学者のレベルとともに、大卒者の学力レベルもかなり下がっていると考えるのが自然だろう。

ある専門商社の採用担当者は、こう厳しく分析する。

「第二次ベビーブーム(1973年)をピークに、出生数が右肩下がりになっているのに、大卒生の人数はなぜか増えている。定員を拡充する大学もあって、さほど優秀でない人でも『有名大卒』の肩書きを得られているのだから、人材の質とのギャップが大きく感じられるのは当然です」

18歳人口と大学卒業者数(単位:万人)の比較。文科省等の資料による。

多様化する企業課題に「生え抜き」だけでは対応できない

こうした状況を踏まえれば、新卒者に対して「人材のレベルが下がった」「応募者プールが薄まった」という印象を抱くのも、仕方のないことだろう。選考に値する「使えそうな人材」の割合が下がり、出会うのが難しくなっているという感覚にも理由がある。

ネット経由で同じような学歴の応募が大量に届くようになってからは、「使えそうな人材」に巡り合う難易度はさらに上がったようだ。産業構造自体も変わりつつあり、エンジニアなど専門的なスキルやセンスが問われる仕事は、地方の高専などにターゲットを移す「大卒離れ」も起こっている。

 

新卒者への注目度が下がる中、期待を集めているのが「実務経験者の中途採用」だ。メガベンチャーやスタートアップはもちろん、大企業も人事制度を見直すなどして受け入れ体制を整備している。

大企業はこれまで「生え抜き」人材にこだわり、幅広い人材を確保して、終身雇用を守ってきた。しかし会社が直面する課題や、解決に必要な技術が多様化する中で、先進的なテーマを扱える人材が喉から手が出るほど欲しい状況だ。

中途採用者は、一度は他社の採用フィルターを通過した実績があるうえ、一定の教育も受けている。特に有名企業に採用されたものの、実力を発揮できず燻りながら会社に張り付いている技術者は、他社からすると何とかして引き剥がしたい存在である。

「大企業の終身雇用」にしがみつくリスクも

とはいえ、働く人の側にも言い分がある。ひとつは待遇の問題で、転職先で「大手企業並みの雇用の安定性や給与額が確保できるか」ということ。

しかしこの点は、すでにメガベンチャーを中心に対応している会社が少なくない。そもそも大手といえども業績次第ではリストラもありうるので、中長期的な将来性・成長性を見据えた判断をする人もいる。

もうひとつの問題は、「これまで積み重ねてきた経験やスキルが、転職先で本当にうまく活きるのか、イメージできない」ということだ。これはミスマッチのリスクだけでなく、特に新しい技術分野が生まれる過渡期において自分のスキルが思わぬところで求められるチャンスにもつながる。

そのような求人を自分で探し、採用担当者とすりあわせをすることももちろん可能だが、多忙な中で多くの会社とのマッチングを探すのは難しい。そこで頼りになるのが「転職コンサルタント」の存在だ。職歴やスキルを伝えることで、自分に合った転職先を紹介してくれる。

その一方で、電話や対面のやりとりの中では、自分の希望を相談相手に伝える必要があるし、相場に基づき「その会社はムリですよ」と冷徹な回答をされるなど、億劫な面があることも確かだ。

「想定外の会社」との出会いが新しいチャンスに

こういう対人コミュニケーションが苦手な人には、インターネットのメリットを活かしたサービスが向いているかもしれない。ウェブから必要情報を入力するだけで、メールで情報を得られるからだ。

たとえばDODAの「合格診断」では、自分が転職できる可能性がある企業のリストをメールで受け取ることができる。対象企業は「転職人気ランキング」の上位300社で、いずれも社会的に知名度の高い有名企業だ。この中から申し込み時点で求人を出している会社をピックアップし、スキルなどをマッチングして転職先の候補を提案してくれる。

最大のメリットは、憧れの会社への転職可能性を無料で診断してもらえることだが、もうひとつ、「思ってもいなかった会社」「知らなかった魅力的な会社」との想定外の出会いがあることも見逃せない。自分の可能性を広げるチャンスになる可能性があるからだ。

さらに希望すれば、「転職可能性」のある会社に関する詳しい企業情報や、合格するための応募書類の作成方法などを、DODAのキャリアカウンセラーから提供してもらうこともできる。転職の可能性をより高めるためには、ありがたいサービスだ。

このようなサービスは転職会社が採用企業からフィーを受け取るため、求職者は無料で気軽に利用することができる。いますぐに転職しようと考えていない人でも、「いまの会社以外にも働ける職場がある」ことを知ることは、精神衛生上よいものではないだろうか。

 

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