【社員の声】株式会社東芝の退職理由に見る「将来性」への危機感 「30年後まで今の収益力が続くとも思えない」

【社員の声】株式会社東芝の退職理由に見る「将来性」への危機感 「30年後まで今の収益力が続くとも思えない」

企業口コミサイトの「キャリコネ」には、いま話題の東芝を退職したと思われる人の書き込みが見られる。特に大リストラが始まった2016年1月以降のものが多いところが注目される。


経営企画の30代男性「社内文化は変われないし、経営者も判断力を失っている」

東芝の経営トップが関与した粉飾決算について、第三者委員会の報告書が指摘したのは2015年7月20日。過去7年間にわたる利益の水増しに加え、予算達成に向けて無理なプレッシャーを加える「チャレンジ」や、会議におけるパワハラなどが指摘された。

この問題を受けて、翌21日に田中久雄社長が辞任。12月には「新生東芝アクションプラン」と名付けた大リストラ策が発表され、室町正志社長は7800名の人員削減を行うとした。翌年3月の事業計画説明会では、追加の人員削減と報酬・給与の大幅な減額、17年4月入社の事務系・技術系の新卒採用中止などが発表された。

この前後からリストラ以外で、会社を見限った自主的な退職者も増えていたようだ。キャリコネには経営企画部門で勤務していた30代後半の男性社員から、こんな書き込みがある。

「会計問題以降、(東芝の事業に)根本的な収益力がないことが露呈しており、更にその改善が『原子力』と『メモリ(半導体)』というボラティリティの大きい(不安定な)事業に頼らざるをえないという問題がある。メモリは継続して莫大な設備投資が必要で、原子力は国内のBWR(沸騰水型原子炉)の再稼働は延伸中で経営環境は不透明」
「会計問題を起点に変化すると言いつつ、社内文化は変われないし、経営者も全くもって判断力を失っている。こうしたことを考慮した結果、40歳未満ではあるが、転職できるときにしておかないと不安になり退職を決意した」

「終身雇用」が当たり前の東芝で、このような退職理由をあげて会社を去る人は、これまでいなかったことだろう。法務部門に勤めていた20代後半の男性社員も、事業の将来性について同様に悲観し、「30年後まで今と同規模の収益力を持った状態が続くとも思えず」退職したと書き込んでいる。

残るは「愛社精神の強い、上昇志向のない50代以上」ばかり

2016年4月には、「将来性が見えないため退職予定」のマーケティング職の20代女性が、傾きかけた船から人々が我先に脱出するかのような社内の様子を明かしている。

「不正会計問題の影響で売上が低下し、早期退職優遇制度を利用して有能な上司、同僚は(2016年)3月末をもって退職していった。残ったメンバーも次々と転職先を見つけて行っている一方で、愛社精神の強い、上昇志向のない50代以上の社員が残り、若手にはかなり厳しい環境」

中年以上の社員に危機感が欠けているという声は、複数の若手社員から寄せられている。財務・会計担当の20代社員は「周囲の危機感がないことが一番の退職理由」と、世間との温度差を指摘する。

「不正会計後の経営危機にもかかわらず、40代から50代の危機感は全くありません。また、30代が少なく、今後会社を背負っていく世代が欠けています」

30代後半の社内SEは「早期退職手当が本来の退職金を上回っており、このまま定年まで勤めあげても底が知れた気がして退職を決めた」と書き残している。早く辞めた方が、もらいが多いのであれば、退職金目当てに我慢して会社にしがみつく必要もない。

技術系社員は「早く東芝と縁を切りたい」 大企業からベンチャーに「人が移るきっかけ」になるのか?

https://tenshock.biz/articles/2375

中央大学理工学部の竹内健教授が4月24日、ツイッターに「東芝の件は、日本でも大企業からベンチャーに人が移るきっかけになるのかな」という興味深い指摘をしている。

ついに40代も転職「退職して異なる環境で腕を磨いていきたい」

結局、あれだけ問題になっていた内部統制の問題も、いまだ根絶されていないという驚くべき告発もある。経理担当の20代社員は、退職にあたり「所謂『チャレンジ』は存在しており、かなり旧態依然とした企業であった」と書き残している。2016年11月の書き込みだ。

年が明けると、危機感がないと言われていた年配社員も考えを変えたようだ。生産技術部門の40代男性社員は、ついに転職に踏み切ると2017年2月12日に書き込んでいる。

「自分の今後のキャリアを考えた場合に、退職して異なる環境で腕を磨いていきたいと思った。『メディカル』と『半導体』という利益が出る事業を切り売りしている状態では、未来の展望が明るいとは言えない」

40代では若いといえないが、東芝のような一流企業の現場でコツコツ実力を蓄えてきた人であれば、よい転職先もあるのではないだろうか。

 
 

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