超人気企業・電通への転職成功談――ネット掲示板の書き込みから「キャリアアップの抜け道」を探る

超人気企業・電通への転職成功談――ネット掲示板の書き込みから「キャリアアップの抜け道」を探る

世界屈指の規模を誇る広告代理店、電通。過労自殺事件後に就任した山本敏博・新社長は、「労働環境の改革」を最優先の経営課題に掲げた。もしかすると働き方の見直しとともに、増員が必要となる部署があるかもしれない――。そんな電通への中途採用をねらう人が注目するのが、2014年11月に2ちゃんねるに登場した、とあるスレッドだ。


「もうちょいB2C向けをやりたくて」野村総研から転職

スレのタイトルは、「早稲田大卒→野村総研→電通へ転職。31歳が皆様の質問になんでも答えます」というもの。スレ主は、1年間の浪人後に早稲田大学商学部に入学、卒業後は野村総合研究所に入社したという男性だ。

野村総研といえば、単体で6000人、連結で1万人を超える従業員を抱える大企業。シンクタンクやコンサルティングファーム、システムインテグレータといった幅広い事業を行っているが、この男性は「どちらかというとB2B向けのコンサル」を担当しており、

「もうちょいB2C向けをやりたくて」

という理由で、電通のコンシューマー(一般消費者)向けのマーケティング部門への転職に踏み切った。31歳当時の年収は「1000万前後」。このスレ主に対し、同じ野村総研でSEをしている人が「ゆくゆく(は)電通いきたい」と相談を持ちかけた。

社外からうかがい知れない内情を期待する人たちに対し、スレ主は電通について「中途(採用)はかなり少ない」と明かす。博報堂(広告業界2位)やADK(アサツー ディ・ケイ、同3位)と異なり、電通のプロパー(新卒生え抜き)の社員は「コネとか縁ばかり」だが、サラブレッドなので「めっちゃ優秀な可能性が高い」というのが彼の見立てだ。

そんな中、転職希望者が中途採用を獲得するには「すぐに実戦で使えるかどうか」、もしくは「世の中に実績があるやつかどうか」のどちらかだという。特に後者の「世の中の人が知ってるような実績がある」ような人は強く、男性もこちらに当てはまるようだ。

 

「所詮は代理店」とグチを漏らす場面も

転職に成功した理由について、男性は「ぶっちゃけタイミングが良かった」と運のよさを強調する。電通はある時期にマーケティング職を積極的に採用していたことがあり、「その時期にたまたま応募した」のだそうだ。確かに求人がなければ入社もできない。

「仕事の内容も(前職と)それなりに重複しているところがあって、即戦力として認められたんだろうな。(自分は)稀有な存在だと思う」

前職の影響については「野村総研ブランドはあると思う」とし、広告代理店と「業態は似てる」という理由で、マーケティング分野のコンサルタントとして働いた経歴は「経験者の強みとして活用できる」選択だとしている。

とはいえ男性は、転職希望者に対して意外にも「電通に縛られることなく、広告代理店のマーケティング志望で行けば可能性は広がるはず」と勧める。特に日々「コネの電通」と競っている博報堂やADKは、マーケティングの実力では電通より優秀という評価もあるとする。

電通での仕事は楽ではなく、1週間のうち「1日は帰れない日がある」そうだ。さらにスレ主は、せっかく入社した電通の中で「局長みたいに偉くなりたいとは全く思わない」と明かし、広告代理店の限界を次のように示した。

「代理店で偉くなっても、所詮(は)代理店。クライアントの事業部のやつらは世界を相手にどんどん裁量が大きくなるが、代理店はいつまでも代理なので、裁量が極端に大きくなるわけでもない。それなのに忙しくなるばかり。これって楽しいのだろうか」

「それに給料も大幅に良くならない。たぶん局長でも1500(万円)くらいなんじゃないかな。力があるとわかれば、メーカーなどの事業部で偉くなった方が給料も良くなるだろうね」

 

「経験」から「発想」を生み出すのが仕事の魅力

結局のところ、天下の電通に入社できても「人にうらやましいと思われるような仕事では全くない」というスレ主は、「地方の企業で地元に貢献するようなビジネスの方が、よっぽどやりがいがあるんじゃないか」と、転職希望者の憧れに水を差す書き込みを残している。

キャリアの作り方についても「学歴は多少有利に働くこともある」としつつ「そんなのは微々たるもの」と断じ、「自分の熱量があふれ出るくらいの仕事と出会えることの方がよっぽど大事」と助言する。

「(天職と出会える)鉱脈を若いうちに探せるかどうか、だと思う。結果、年収はついてくるものだと思ってるよ」

一方、広告代理店で働くメリットとして、特定の会社の事業部で長く過ごすよりも「他の業界も経験」している人は、「その経験から新しいアイデアとか発想を引きずり込むことができる」ところが強みになるとする。

「基本はみんなアイデア/発想に飢えてる。だからいろんな業界を見てるやつは重宝されるんだよ」

だいぶ長くなったが、以上がスレッドの概要をまとめたものだ。このような匿名によるネット掲示板の書き込み内容は、どの程度あてになるのだろうか――。(この続きは、現在TENSHOCK編集部で取材中です。)

 

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