「電通の中途採用」は、やはり狭き門なのか 現役社員が語る「2017年最新事情」

「電通の中途採用」は、やはり狭き門なのか 現役社員が語る「2017年最新事情」

社員の自殺が労災認定され、社会問題となった株式会社電通。2017年1月に就任した山本敏博社長は「労働環境の改革」を最優先の経営課題に掲げたが、その影響で新たな採用が増えているという噂は本当なのか。現役の電通社員に内情を聞いた。


久しぶりに正社員の大規模な中途採用を行った電通

社員の自殺問題を受けて、会社は先月(2017年1月)、久々に正社員の大規模な中途採用を行ったようです。といっても基本的にスタートは契約社員採用で、そのうち正社員に上がれるのは5%程度の狭き門と言われています。

契約社員の中途採用は、これまでも毎月定期的にやってきましたが、正社員への可能性がある中途採用は10年以上ぶりだったのではないでしょうか。残念ながら締め切りは過ぎていますが、電通の正社員になりたい人には大きなチャンスだったと思います。

「電通は14日、労働環境の改善に70億円を投じると発表した。(中略)人員増強はすでに緊急対策として200人以上の採用を決めている。その上で恒常的な人員増に向けた採用も進める。一部の業務の機械化などにも資金を投じる」(2017年2月14日付け日経新聞)

クリエイティブ職以外の契約社員であれば、業界経験者はもちろんのこと、業界未経験者でも求められるスキルさえあれば、割りと入りやすいと思います。スキルは、例えば語学力や担当予定のクライアントに関する知見、メディア知識などです。

しかし通常は、契約社員は正社員に上がれない可能性が高く、最長でも5年契約なので、働き盛りの30代にはあまり人気がありません。また、期間満了前に辞めるときには、たいてい代わりの人を紹介するように言われるようです。

 

ストプラ職ではコンサル会社の経験が有利に働く

コンサル会社からの転職を成功させた人のネット書き込みが話題になっているようですが、確かにマーケティング職やクリエイティブ職(ただしストラテジックプランナー職に限る)では、コンサルタント職の経験が有利になるかもしれません。

ただし、そもそも電通はマーケティング系が他社に比べてあまり強くなく、外注が多く社内の人数が限られているので、あまり中途入社の方には出会わないのが正直なところです。その他の部署では、コンサル会社出身が有利という印象は受けないです。

私がよく局内で聞くのは「地頭がいい、体力とやる気がある人が欲しい」ということで、そのイメージに当てはまる人たちが入ってきている気がします。

局長になれず年収1500万円に達しない50代も

年収の上がり方については、30代前半までは商社含め日系企業の同世代の平均年収よりは高いと思います。ただしネットの書き込みに「たぶん局長でも1500(万円)くらい」とある件については、局によってかなり異なるので信憑性は何ともいえません。

実際、同期の部署の局長は2000万円以上もらっていることは確実のようです。とはいえ役職がメーカーなどに比べて少ないことは確かで、局長にならないと1500万円に届かない50代もいるらしいので、伸び率は微妙かもしれません。

プロパー(新卒入社)と中途採用では、年収の上がり具合が違うと聞きます。また、昨年までは残業代は月100時間オーバーしようと、平社員なら申請した分の全額が支払われていたので、職位ではないところで年収が上がったり下がったりする会社です。しかし最近では残業規制が厳しいので、これも意味のない話になってしまいました。

ネームバリューのある会社からの転職は有利

職種別に見ると営業局やメディア系、デジタル系、エンタメ系の部署は、クリエイティブ系と比べて比較的中途入社しやすいと思います。クリエイティブ職は仕事の外注化が増えている中で、新卒を含めた採用がどんどん減っています。

バックヤードは契約社員でまかなっている部分が多く、人の入れ替わりが激しいです。応募資格も幅広く、特に営業に関しては業界未経験者でも何かしら過去の実績があれば入れる可能性は充分にあります。その実績は仕事だけでなく、プロアスリートなどの経歴が評価される場合もあります。

転職者はやはり業界経験者が多く、外資系や他の日系の広告代理店からの人が多いです。媒体系やエンタメ系は同業者に加え、媒体やエンタメ会社の出身者がほとんどです。

なお、契約社員の採用であれば部長や局長など現場レベルだけで決まるので、ネームバリューのある会社であることも重要です。規模の小さな広告代理店経験者よりも、募集枠のクライアントの業界にいた広告業界未経験者の方が確実に有利といえるでしょう。

 
 

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